あきりんの映画生活

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「シャンハイ」 (2010年)

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2010年 アメリカ 105分
監督:ミカエル・ハフストローム
出演:ジョン・キューザック、 コン・リー、 渡辺謙、 チョウ・ユンファ

激動時代の恋愛もの。 ★★★

第二次大戦前夜の上海が舞台。
各国の策謀が渦巻いていたような、猥雑で危険なイメージがあって、もうそれだけでいろいろな物語を感じてしまう。
この映画も日本、アメリカ、中国の思惑で動く人々が入り交じる。

友人の死の真相を求めてアメリカの諜報員ソームズ(ジョン・キューザック)が上海にやってくる。
新聞記者を装ったソームズは、裏社会の大物、ランティン(チョウ・ユンファ)に近づく。
ランティンの妻、アンナ(コン・リー)は謎めいた行動を取り、ソームズは次第に惹かれていく。
さらに日本軍情報部のタナカ大佐(渡辺謙)や、死んだ友人の愛人スミコ(菊池凛子)がからんでくる。

不穏な空気が充満している上海にくり広げられるスパイもの、軍事策謀ものかと思って見はじめた。
でも、違った。この映画の本筋は、そんな状況下での恋愛ものであった。
とはいっても、状況が状況だから恋する男も、恋される女も、いろいろな背景を背負っているわけだ。
決して甘い恋物語ではない。

コン・リーに魅せられる。
チャン・イーモー監督作で登場してきた彼女だが、とにかくきれいだった。(かっては ”中国の百恵ちゃん” と言われていた 笑)。
ちなみに一番きれいで妖艶だと思っているのは、「たまゆら」のコン・リー

さて映画は、アンナを愛する二人の男、スミコを愛した二人の男、の物語となっていく。
どちらの愛も時代に翻弄される。
その翻弄が激しすぎてやや情感に乏しかったのは残念なところ。

最後の最後、真珠湾攻撃とともに日米が開戦した日となる。
それまではヒールに徹していた渡辺謙がとても好い役どころを演じる。格好いい。
役どころは違うが、「カサブランカ」の最後を思い出してしまった。

第二次大戦前夜の上海を舞台にした映画といえば、「上海の伯爵夫人」があった。
あれも時代に揺れている愛の物語だった。