1966年 アメリカ 105分
監督:スタンリー・ドーネン
出演:グレゴリー・ペック、 ソフィア・ローレン
お洒落なサスペンスもの。 ★★☆
スタンリー・ドーネン監督と言えば、オードリー・ヘップバーンの「シャレード」、「いつも二人で」など、ウイットに富んだお洒落な感覚の映画を撮っている。
今作もサスペンスものだが、上品なユーモア感覚をまとっている。
冒頭から、古代象形文字が書かれた小紙片を、悪人が殺人をして奪う。
さあ、この謎の文章をめぐって騒動が起きるぞ、と、順調な滑り出し。
グレゴリー・ペック扮するポロックは古代言語学者で、この文書の解読のために騒動に巻き込まれていく。
ポロックは某国首相に頼まれて、悪役大富豪の企みを探るためにその邸宅に滞在することに。
するとあらわれたのが悪役大富豪の情婦のようなヤスミン(ソフィア・ローレン)。
彼女はポロックの命が危ないといって助けてくれようとする。
いったい、彼女は何者? 本当に味方なのか? それとも・・・
映画を彩っているのは、なんといってもソフィア・ローレンの個性的で派手な顔立ちと華やかな衣装。
彼女が画面にあらわれるだけで豪華となる。華があるなあ。
スタンリー・ドーネン監督なので、ときに色っぽくコミカルな場面を入れてくる。
浴室に隠れたポロックをかばうために、シャワーを浴びるふりをして入ってくるヤスミン。
カーテンの外にいる悪役大富豪にバレないように、ポロックの目の前でシャワーを浴びるヤスミン。
う~む、グレゴリー・ペックが羨ましいなあ。
必死に敵の追っ手から逃げたり、それでも捕まってしまったり。
あまりシビアではない(苦笑)アクションが繰り広げられる。
人が殺されたりしていても、どこまでもお洒落、どこか女性向け感覚。
それがドーネン監督の持ち味。
謎の女性ヤスミンの正体は? というお約束の展開もあって、楽しませてくれる。
深刻なことはまったくありません。
少しレトロな感覚のサスペンスものを休日の昼下がりにでも。
しかし、大きな不満が一つ。
無事に事件は解決していくのだが、あの象形文字の謎めいた文書って、あんなものだったの?