2022年 日本 115分
監督:三木孝浩
出演:二宮和也、 満島ひかり、 奈緒
夏休み家族向け映画。 ★★☆
夢を持って張り切っていたものの、挫折した健(二宮和也)。
ばりばりキャリアウーマンの妻(満島ひかり)にも愛想を尽かされている。
そんな彼の家の庭に、タングと名乗る古くさいロボットが迷い込んできた。
時代は、ロボットの活躍が人間社会に溶け込んでいるような、今よりは少しだけ未来。
時代遅れな旧式のタングを捨てようとする健だったが、なぜか一緒に彷徨うことに。
そのうちに、タングに積まれているAIはとてつもない未来型のものであることが判り、その争奪争いが始まる。
ガラクタを寄せ集めて作ったようなタングの外見は、いかにものポンコツ感がある。
その不格好なタングの、一生懸命でどこかおぼつかない動作を観ていると次第に可愛くも見えてくる。
この感じは、そうだ、あのE.T.だ。
あちらは宇宙人でこちらはロボットだけれど、幼い知能で主人公になついてくる可愛らしさがよく似ている。
そういえば、横長の顔面部分もE.T.の雰囲気だよな。
ご贔屓のニノはやはり好い。
どんな役でも、ああ、こんな人なんだね、と思わせてくれる。ほのぼの感もあるし・・・。
撮影のときには、どの場面でもタングはいなくて、あとで動くタングを画面に取り入れたのだそう。
すごいね。
画面は色鮮やかで、ファンタジックな絵本を見ている感じ。
特に、タングの秘密を知る科学者(奈緒)を訪ねて行った中国の都市風景は(ポスター写真を見てください)、幻想的だった。
いろいろな冒険をして二人(? 健とタング、ね)はついに宮古島へたどり着く。
ここにタングの生みの親である科学者(武田鉄矢)がいたのだった。
これで一件落着、か?
人生から落後していた青年と、壊れかかった古くさそうなロボット。
一緒に冒険をしていくうちに友情が芽生えて、ともに立ち直っていくというストーリーは、正直に言ってベタな感じではあった。
ニノの映画としてはいささか物足りなかった。
ま、夏休みの子ども連れ家族に向けられて作られた映画でしょう。
その意味では安心して観に行けるものになっていました。
最後のあたりで明らかになるTANGの名前の由来は、えっ!という感じで楽しかった。