2021年 イギリス 118分
監督:エドガー・ライト
出演:トーマシン・マッケンジー、 アニャ・テイラー・ジョイ
タイムスリップ、それとも妄想? ★★☆
1960年代のファッションや音楽を好むエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)。
彼女はファッションデザイナーをめざして田舎から出てきて、ロンドンのソーホー地区にある専門学校に入学する。
そして夢の中で憧れの1960年代のロンドンにタイムスリップしてしまう。
60年代のオールド・ファッションやオールディズがふんだんに取り入れられている。
そんなオールド・ファッションの感覚はかえってモダンで斬新に思える。お洒落。
カラーはもちろんピンクで、そのほかもパステル調。
これは女子受けする映画だな。
夢のなかでエロイーズは、サンディ(アニヤ・テイラー・ジョイ)という1960年代の歌手志望の女性に乗り移ったりする。
そのサンディはショー・ビジネスにあこがれており、そんな女性を食い物にしているジゴロに操られ始める。
次第にエロイーズは、単に自分が夢を見ているだけなのか、それともサンディが自分自身なのか、混沌としてくる。
これ、ホラー映画だったのか? それともオカルト映画?
そういうのって、あまり好みではないのだけれどなあ。
ついにはある日、エロイーズは夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。
なんとかしなくては・・・。
さらに現実世界ではエロイーズの住む屋根裏部屋に亡霊が出現し始める。
まるで悪夢世界のよう。エロイーズは徐々に精神をむしばまれていく。
このあたりまでくると、最初の頃のパステル・カラーのメルヘン調はどこへやら。
怖いよう。
最後近くになって、60年代のサンディの物語と現在のエロイーズの物語が重なり合う。
ああ、なるほどそうだったのか。
タイムスリップだったのか、ヒロインの妄想だったのか、それとも理屈を超越したホラーだったのか。
一応のつじつまは合っているのですが、そのどれとも言いがたい独特の雰囲気の映画でした。