あきりんの映画生活

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「三秒間の死角」 (2019年) 本当は、俺は違うんだよ!


2019年 イギリス 113分

監督:アンドレア・デイ・ステファノ

出演:ジョエル・キナマン、 ロザムンド・バイク、 アナ・デ・アルマス、

   クライブ・オーゥエン

脱出サスペンス。 ★★★

 

仮釈放中のピート(ジョエル・キナマン)は、罪の軽減と引き替えにFBIに協力して、犯罪組織に潜入している。
やがてピートは、組織のボス“将軍”から刑務所内での麻薬取引を仕切るよう命じられ、わざと刑務所に舞い戻る。

 

マフィア組織への潜入ものなのだが、その主人公は罪人で、FBIとの取引でおこなっている、ということろがミソ。
要するにピートはFBIにとっては都合のいい駒でしかないわけで、状況によってはいつ見放されても不思議ではないわけだ。
そんなFBI絡みの裏事情を知らない警察は、当然ピートをマフィアの一員の悪者だと思っている。

 

妻のためにと頑張る主人公、麻薬利権を狙っているマフィア、マフィアをつぶそうとしているFBI、マフィアが絡んだ殺人事件を追うニューヨーク市警。

この4者の思惑が絡み合って物語が進む。
こりゃ、ピートの立場はなかなかに複雑で微妙だな。

 

主役のジョエル・キナマンが男前。
どこかで聞いた名前だが、はて、どこで?と思っていた。
ああ、そうだ、「ロボコップ」だった。

 

ピートが愛し抜いている奥さん役がきれいな人だなと思って観ていたのだが、ああ、アナ・デ・アルマスではないか。
「007ノー・タイム・トゥ・ダイ」では、ボンドを助けて大変に魅力を振りまいていた。
そうか、彼女だったのか。あの映画の大アクションぶりとは一変して、可憐な若妻を演じていた。

 

刑務所に戻ったピートは着々と仕事を進めていく。
しかし、おとり捜査をおこなっていた刑事が殺され、その殺人事件を追っていた警察はピートに目を付ける。
こりゃヤバいと思ったFBIはピートを見捨てようとする・・・。
えっ、FBIがかばってくれなかったら、ピートは本当に悪者にされてしまうぞ。
さあ、ピ-トはどうする?

 

FBIといえば悪役的な扱いも多い。
この映画の悪役FBIはクライヴ・オウェン。いかにも、という感じで非情、憎々しげ。
最近観る彼はこんな役ばかりのイメージだな。

 

そんなFBIの中にあって、ひとりピートを助けてくれるのがロザムンド・パイク
彼女は「ゴーンガール」で観て以来、嫌~な女優さんだなと思っていた。
でも、この映画では、NY市警の黒人刑事と並んで、数少ない良心派だった。
ほとんど表情を変えないのだが、秘かに主人公を助けてくれる。奥さんと子どもも守ってくれる。好い人だったよ。

 

大筋は、FBIから見捨てられた情報屋ピートが、潜入した刑務所からどうやって脱出するか、ということだった。
後半は、警官隊に包囲され、スワットにも狙われているピート。
緊迫した場面は魅せてくれた。

 

そして、邦題にもなっている”三秒間の死角”。
なるほど! ・・・でも、あの、ピートが服を着替えて入れ替わるところ? 三秒でできた?
(なにか、わたしが勘違いしている?)

 

いささか腑に落ちなかったのは、結局、冒頭の目的だった麻薬組織のボス”将軍”は倒せなかったのでは?ということ。
刑務所のつながりからボスまで一網打尽にできたのだろうか?

 

緊張感が持続して、飽きることなく観ることができた作品でした。
若妻のアナ・デ・アルマスも可愛かったし・・・(嬉)。