あきりんの映画生活

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「クリミナル・サスペクツ」 (2000年) 組織の思惑が交差する狭間で若者は・・・

2000年 アメリカ 91分 
監督:ドミニク・フォルマ
出演:ジェフ・ブリッジス、 ジョン・エイブラハムズ

単純シチュエーションのサスペンス。 ★★★☆

 

平凡な自動車整備士のレニーは、実は裏の仕事として、ギャングの逃走屋をしていた。
車をスタンバイしておいて、事件を起こした現場からギャングたちをすばやく逃げ延びさせる、という仕事である。
確かな運転技術がいるし、街の道路事情に精通していないとできない仕事だな。

 

さてある日、ギャングのリックは紳士然としたジミー(ジェフ・ブリッジス)を誘拐し、レニーの運転するバンに閉じこめる。
しかしそのバンを取り囲んだ男たちにリックは殺されてしまう。
えっ、これ、どうなっているんだ? これからどうすればいいんだ? パニクるレニー。

 

ここからの展開はユニークである。
緊張感が続くサスペンスものなのだが、舞台はその停まったままの(敵側に停められたままの)バンと近くのドラッグ・ストアだけなのである。
そして、レニーとジミーの駆け引きのような会話が中心に物語が進む。

 

そして、バンの周りにいる襲撃してきた敵対ヤクザ、ドラッグ・ストアの夫婦、近くでアパートの窓掃除を職人たち、などが登場する。
限られた舞台の中で、彼らはどんな風に物語に絡んでくるのだ?
世評は芳しくないようなのだが、緊張感が持続して、いやいや、どうして、面白いではないか。

 

状況に途惑うレニーは死んでしまったリックの携帯電話で、リックのボスに連絡を入れる。
そのボスは、敵対するジミーのボスと腹の探り合いの交渉をしている。
レニーよ、そのままジミーを逃がすなよ。車から出るんじゃないぞ。
一方のボスも、バンを囲む手下に、よし、そのまま包囲していろ。車を動かされるんじゃないぞ。

 

好くできている。
はじめは無関係なように思われていた登場人物たちが次第に接点を持ち始める。
このジミーの拉致には700万ドル強奪事件をめぐってのギャング組織同士の争いがあったのだ。
さあ、その大金はどこに隠されている?

 

冒頭からあらわれていたよぼよぼと歩く頑固爺さんがいた。
はてこの人物はこの事件にどう絡んでくるのだろう?と思っていた。
おお、大詰めになって見事に大役を果たしたではないか。
ああ、そうだったのかと納得させられた。上手く作ったな。

 

この映画は実際に起きた事件を題材にしているとのこと。
へえ、そうなんだ。すると、無事に逃げ延びたレニーの告白あたりが元になっているのかな。

 

あまり話題にはならなかったようですが、サスペンス好きにはお勧めの1本ですよ。