あきりんの映画生活

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「デッドプール」 (2016年)

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2016年 アメリカ 106分
監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・ゴズリング、 モリーナ・バッカリン

マーベル・コミックの型破りヒーロー。 ★★★

マーベルものなのだが、アベンジャーズ・シリーズとはひと味違うテイストが売り。
無責任で自分勝手、周りのことなど一切気にしない傍若無人な主人公デッドプール
正義の味方なんて甘っちょろいお題目は唱えないぜ。やりたいようにやるぜ。

このデッドプールという変わり種ヒーローのことはまったく知らなかった。
かっては有能な傭兵だったようなのだが (だから元々強い) 、末期癌になってしまう。
その治療だと騙されて人体実験にかけられ、不死身の身体になってしまう。おまけに顔面は醜く変貌してしまう。
で、赤いコスチュームに身を包み(はじめに観た時は、スパイダーマンのパクリかと思った 笑)、自分をこんな姿にした奴らに復讐を誓っているのだよ。

ということで、徹頭徹尾、個人的な復讐譚である。
宇宙からの侵略者と戦うなんて格好好いことはないのである。
非常に人間くさい。それもお下品に人間くさいのである。

これはツボだった。
ときおりデッドプールは画面に向かって話しかけてくる。物語の解説もしてくれたりする。
(これを、観客側の壁、つまり第4の壁を破る、というらしい)
もう、何でもありなのである。
情け容赦なく、(ときには不謹慎にも面白がっているのではないと思うほどに)人をバッタバッタと殺すのである。

アクション場面も盛りだくさん。
その迫力はすばらしい。なにせグロいことを厭わないので、なんでもやっちゃう。
デッドプールが不死身なのは再生能力が優れているから。ということで、片腕を切り落としても平気な顔をしている。
う~ん、すごい。

しかし彼は純情でもあるのだよ。
焼けただれた醜い顔をなんとかして戻して、恋人とまた楽しくエッチしたい、そんな願望のために頑張っているのだ。
そう、彼は恋のために頑張っているのだ。

彼には親友もいる。
醜くなった顔をデッドプールが、驚くなよ、・・・酷いだろ?と、マスクを取って見せる場面がある。
ここで普通は、いやいや、人は外見じゃないよ、気にするなよ、とかうわべだけでも慰める。
しかし彼の親友は、これは酷いなあ、吐き気がするぐらい酷いなあ、でもしばらくすれば見慣れると思うよ、などといった感じで、本音で答える。
こういったところが、かえって気持ちがいい。 

要するにこの映画、下品でエッチでグロい。
しかし、とてつもなく明るく、お馬鹿にノリノリなので楽しいのである。
コミック原作なのに、18禁。そんな映画なのです。

決して名作良品というわけではないけれども、”下品でエッチでグロ” を気にしない人にはお勧めです。