1969年 アメリカ 98分
監督:エイブラハム・ポロンスキー
出演:ロバート・レッドフォード、 ロバート・ブレーク、 キャサリン・ロス
インディアン事件の悲話。 ★★
ロバート・レッドフォードとキャサリン・ロスが出演している西部劇。
ときけば、ポール・ニューマンこそいないものの、あの「明日に向って撃て!」を思いうかべるよなあ。公開年も一緒だし、タイトルも何となくそんな感じだし。
でも、まったく違った・・・。いささかがっかり。
映画は1909年に実際に起きたインディアン事件を題材にしているとのこと。
誤って人を殺してしまったインディアンの青年ウィリー・ボーイ(ロバート・ブレーク)と、その恋人のローラ(キャサリン・ロス)、二人は岩山が続く荒れ地を逃げていく。
彼らを保安官クーパー(ロバート・レッドフォード)たちの一行が追う。
この逃避行と追跡劇である。
映画の背景には抑圧されているインディアン問題がある。
白人とは明らかに差別された扱いを受けており、その居住地は監督官に観察されたりしている。
自由気ままには他の世界に出て行くことのできないインディアンたちの、閉塞された社会が厳然と在った時代の話しだ。
そんな状況下で、ウィリーたちは行くあてもない逃避行をおこなっている。
クーパーたちは捜索隊を組んで彼らの後を追う。
なに、あいつ等はどこにも行けっこないさ。捕まえるのは時間の問題さ。
しかし、馬を撃って追っ手を足止めしようとしたつもりだったウィリーの銃弾が捜索隊の一人に当たってしまう。
問題が否応なく大きくなっていく・・・。
ウイリーとローラの若いカップルに対比されるように描かれるのが、クーパーとエリザベスの中年カップル。
女医のエリザベスはインディアン保護区の監督官をしている。
二人は何か腐れ縁のような雰囲気を出しながらベッドを共にしている。
若い二人の情熱的な(一途な、そして無謀な)愛とは真逆の、共依存のような感じなのだ。
30歳代前半だったレッドフォードがさすがに若い。
どことなくブラピにも似た雰囲気を漂わせていた。
そしてキャサリン・ロス。このとき20歳代後半だが、色黒メイクでインディアンの少女を演じてまったく違和感がなかった。
(繰り返すけれども、「明日に向かって撃て!」と同年ですよ)
原題は「ここにウイリー・ボーイがいると彼らに教えろ」とでもいったところか。
アメリカンニューシネマのひとつとされる作品だが、かなり地味な印象である。
そして例によって救いのない、やりきれないようなエンディングである。
・・・といったことを承知の上で鑑賞しましょう。