2002年 アメリカ 86分
監督:アンソニー・ルッソ
出演:サム・ロックウェル、 ウイリアム・H・メイシー、 ジョージ・クルーニー
犯罪コメディ。 ★★☆
ちょっと頼りない連中が、嘘のようにいい加減な情報を基に一攫千金の銀行泥棒を企む。こんな話が上手く行くわけがない。その期待通りに(笑)計画は紆余曲折していく。
スティーヴン・ソダーバーグとジョージ・クルーニーが組んで設立したプロダクションの第1回作品とのこと。
秘密だったはずの銀行泥棒の巧い話はつぎつぎに漏れていく。このあたりも、おいおい、と言いたくなる感じで面白い。
甘い汁を吸おうとしていい加減な連中が集まるのだが、これが小悪党とも呼べないような、基本的に気の弱い、それでいて人に優しい奴ばかり。
いわく、負け続けのボクサー、なんとかして妹の結婚式をしてやりたい兄、その妹に恋してしまったチンピラ、詐欺かなんかで奥さんが服役して乳飲み子を抱いておろおろしている貧相な親父(このウイリアム・H・メイシーが一番好きだった)、まともに何もできないほどよろよろなのに口だけは達者な爺さん。
クルーニーは本当の脇役。
なんでこんなお馬鹿をやってるの?という、笑うのも馬鹿馬鹿しくなるような役柄で登場。特に2回目の登場では爆笑。
後半にいよいよ銀行泥棒の場面になる。
ここへきて、オチも含めて、誰かも言っていたが、そうか、この映画はドリフターズだったんだ!と充分に納得。
あのチープな設定と、他意はなく直線的に笑いをとりにくるあっけなさ。それを楽しんだ。
この映画の前年に、ソダーバーグとクルーニーは、あの豪華絢爛なメンバーを集めて「オーシャンズ11」を撮っている。
それに比べて、この映画の出演者たちの無名(?)なこと、それに彼らの役柄の情けないこと、泥棒計画のちゃちなこと。
正反対なこの2本の映画を見比べると面白い。
全くの脱力系です。
登場人物のあまり情けなさに(そして善人ぶりに)、はあぁ~と、肩の力をぬいてため息をつきましょう。