あきりんの映画生活

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「アキラとあきら」 (2022年) 情に溺れて融資はできん!

2022年 日本 128分 情に溺れて融資はできん!
監督:三木孝浩
出演:竹内涼真、 横浜流星

銀行内幕もの。 ★★☆

 

山崎瑛(アキラ:竹内涼真)は、父親の経営する町工場が銀行の融資見送りのために倒産し、過酷な幼少時代を過ごしてきた。
階堂彬(あきら:横浜流星)は大企業の御曹司だが、血縁のしがらみを嫌い次期社長の座を拒絶する。
そんな同じ名前を持つ2人の運命は、2人が同じ大銀行に同期入社したことによって絡み合う。

 

シャイロックの子どもたち」に続いて、またもや池井戸潤原作の銀行ものである。
池井戸の小説は「俺たちバブル入行組」(半沢直樹シリーズの原題)の頃から読んできた。
何作も映画化やテレビドラマ化されていて、そのどれもが一定水準以上の面白さだった。
で、池井戸原作なら観ておこうかとなるわけだ。

 

アキラとあきらはそれぞれに優秀なバンカーなのだが、生い立ちから来る正反対の信念を持っている。
やがて、あきらの実家の会社が経営不振に陥る。
銀行を辞めて実家の立て直しに奔走するあきら。そしてその会社の担当となったアキラ。

 

観る前は、対照的な生い立ちのアキラとあきらが対立する立場となって争うのかと思っていた。
違った、2人は協力して倒産しかけて会社を建て直すのだった。
こう言ってはなんだが、ちょっとつまらんなあ。

 

それにしても、あきらの叔父さん二人の憎々しいこと。
特にユースケ・サンタマリアなんていつもの軽妙さをかなぐり捨てての役だった。憎たらしい奴だねえ。

 

それに冷酷非情な上役役の江口洋介も印象的だった。
東京ラブストーリー」で里美ちゃんを追いかけていた頃の瑞々しさはどこへ行ってしまったんだというほどの演技。たいしたものだ。

 

しかし非情な判断を下す上役なのだが、企業を支える者としては当然と言えば当然。
冷静に考えれば、アキラの方が情に流されてしまっているのではないか。
お前個人は好いことをしたと納得できるだろうけれど、企業にとってはその判断はどうよ?と言いたくもなる。

 

しかし池井戸潤もややマンネリ気味になってきた感は否めない。
アキラの幼い頃の思い出なんて半沢直樹と一緒ではないか。
まあ、そつなく作られてはいるので、退屈することはなかった。でも、池井戸原作映画はそろそろ卒業でいいかな(汗)。