2000年 アメリカ 115分 裏切ったのは誰だ?
監督:ジェームズ・グレイ
出演:マーク・ウォルバーグ、 ホアキン・フェニックス、 シャーリーズ・セロン、 フェイ・ダナウェイ
社会派サスペンス。 ★★★
車の窃盗で服役してレオ(マーク・ウォルバーグ)が出所してくる。
母さん、心配かけてごめん。これからは一生懸命働くよ。
レオは、叔父フランクの経営する地下鉄車両修理会社で働くことになる。
その会社にはレオの幼馴染で友人のウィリー(ホアキン・フェニックス))も働いていた。
このウィリーがどこか悪の匂いがふんぷんとしている。いかにも不良という感じをホアキンがうまく漂わせている。
そしてこのウィリー、妙に羽振りがいいのだ。何か裏で悪いことをしている?
おまけにフランクの義娘であるエリカ(シャリーズ・セロン)を恋人にしているのだ。
あれ、なんか羨ましいぞ。
案の定、ウィリーはフランクの会社の闇の部分を担当していて、賄賂を受け取ったり、相手会社が事故を起こすような工作までしていたのだ。
おいおいレオよ、こんな奴に引きずられていったらヤバいよ。
でもどこか気の弱いレオはウィリーに引きずられるまま。
それにエリカにも惹かれていて、こっそりと物影からウィリーとエリカの様子をうかがったりする。
うん、なにかその若さゆえの純粋なおののきがいじらしいな。
さてシャーリーズ・セロン。
この映画の時は25歳。あの「サイダーハウス・ルール」の翌年。
まだまだセロン姐さんなどという雰囲気には遠い、若々しさがある。
眼の周りを隈取ったようなメイクが、若さ特有の危うさも醸し出していた。男なら誰でもとりこになってしまうのではないだろうか。
(男性の方だけにこっそり教えると、なんと、眼福の場面もありますよ)
やがて闇でおこなっていた事態がもつれてウィリーは殺人をしてしまう。レオも警官を負傷させてしまう。
しかもレオはウィリーの裏切りによって殺人犯に仕立て上げられてしまう。
逃げなくちゃ。
原題は単に「(鉄道の)操車場」。操車場で上に書いたような事件が起きるのだ。
でも、これよりは邦題の方が好いかな。
さあ。レオはどうなる?
守ってくれると思っていた叔父のフランクにも裏切られて、もう冤罪を晴らす手段もないぞ。
このフランクも、もともとウィリーに汚いことをやらせていたような人物だからね。
自分と会社に都合が悪くなればあっさりとレオを見捨てるわけだ。
レオの叔母さん(フランクの妻)が、やけに貫禄のあるおば様女優さんだなと思って観ていた。
ありゃ、フェイ・ダナウェイだったよ。そりゃ存在感があるはずだ。
(以下、ネタバレ)
追い詰められたレオはついに反撃に出る。
地下鉄事業はフランクどころか、もっと大がかりな汚職にまみれていたのだ。
レオはそれらを告発することで身の潔白もはらすのだ。
でもその陰で、エリカは帰らぬ人となっていたのだが・・・。
実際に起きた汚職事件を元にしているとのこと。
すると、実際に殺人事件も起こり、内部告発もおこなわれたのだな。
そんな事件に巻き込まれた若者が必死にあがく姿を描いていた。