2022年 131分 アメリカ
監督:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ
SFオカルト。 ★★☆
「ゲット・アウト」で独特のオカルトっぽい物語をみせてくれたジョーダン・ピール監督。
第3作となる今回はどうかな?
巨大な牧場を経営する一家。
しかしある日空から落ちてきた物体が頭に落ちて父親が死んでしまう。
えっ、飛行機から落ちてきた金属がたまたま頭に当たって死んでしまうなんて、そんな不運な偶然て、ある?
兄妹が残されたのだが、兄のOJは、巨大な雲の中に飛行物体のようなものが隠れているのではないかと疑う。
そしてそいつが父の頭に金属物体を落としたに違いない。
あの雲はいつまで経っても形が変わらない、あの雲の中が怪しいぞ。
よし、そいつを動画に撮影してネットにあげれば大バズリするぞ、金が稼げるぞ。
妹のエメラルダと一緒にカメラを設置してそいつを撮影しようと待ち構える。
兄OJ役のダニエル・カルーヤは本作でもぎょろ目を開けて、ほとんど喜怒哀楽をあらわさない。
そこが微妙に物語のオカルト感にマッチしていて、好い感じである。
監督もそんなところが気に入って起用しているのかな。
妹のエメラルダはそれに反してガチャガチャとうるさい。
一人ではしゃいで物事をぶちこわしそうにする。
しかし天真爛漫なそのはしゃぎぶりが次第に可愛く見えてくる。物語のよいスパイスになっていた。
どうもそいつが近づくと、電子機器から電源が落ちるようなのだ。
よし好いことを思いついたぞ。
空気を送り込んでふわふわと踊るようにゆらゆらする広告人形。二人はそれを牧場にあちらこちらに設置する。
そいつがやってくると電源が落ちて人形はくたっとへたり崩れるぞ。
空気人形が牧場に至るところでゆらゆらと踊っている図はなかなかに好いものだった。
さあ、そいつはあらわれるのか。
一体、そいつは何者なんだ?
(以下、ネタバレ)
てっきりUFOだとばかり思っていたのに、違った。
なんとそれは空飛ぶひらひら巨大生物だったのだ。なんだ、こいつ。
UFOの入り口だとばかり思っていた黒い穴は、そいつの口ではないか。
やるねえ。
クライマックスは、そいつに喰われるか逃げ延びることができるかという、アクション場面となる。
とはいっても、どこか間が抜けたような対決場面となっているところがこの監督の持ち味。
他の監督作とはひと味違うオカルトSFものでした。
ああ、そうか、第2作の「アス」をまだ観ていなかった。観ようかな。