あきりんの映画生活

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「ゲット・アウト」 (2017年) えっ、こんなことが隠されていたのか

2017年 アメリカ 104分 えっ、こんなことが隠されていたのか
監督:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ

サスペンス・ホラー。 ★★☆

 

ポスター写真が大変に印象的なこの映画。以前から観てみようかと思っていた。
しかし、レンタル屋ではホラー映画の棚に並んでいた。
ホラー苦手の私でも大丈夫な内容か? ちょっと心配しながら鑑賞。

 

アフリカ系の人種であるクリス(ダニエル・カルーヤ)は、白人の彼女ローズの実家へ招待される。
君のご両親は黒人の自分を受け入れてくれるだろうか? 心配だな。
大丈夫よ、という彼女の言葉通り、クリスはローズの両親から大歓迎を受ける。
へえ、黒人の自分をこんなに歓待してくれるんだ。理解のある人たちだな。

 

でも、ローズ家にはどこか奇妙な雰囲気があるのだ。
黒人の家政婦がいるのだが、その笑顔がなんとも不気味なのだ(本当に、本当に気持ち悪いよ 汗)。
それに黒人の庭師がいるのだが、彼はものすごいスピードで庭を走ってきたりするのだ。
観ている者も、クリスと同じように、この家の人たちはどこか気味が悪いなと感じ始めるのだ。
このあたりは実に巧みだった。

 

亡くなったローズの祖父を偲ぶガーデン・パーティが開かれる。
白人ばかりの参加者の中に黒人の若者がいたのだが、クリスがカメラを向けると態度が豹変する。
クリスに、ここから出て行けっ! と襲いかかってくる。
何が起こったんだ? この家では何が起きるんだ?

 

やがて、(ポスターの写真にあるように)クリスは拘束されてしまう。
俺をどうしようというのだ? 俺はどうなってしまうんだ?

 

(以下、完全ネタバレ)

 

この映画、黒人差別なんかを描いているのではなかった。
それどころか、白人のそれを遙かにしのぐ黒人の肉体能力が羨ましい人たちの物語だったのだ。

黒人の体に私たち白人の脳を移植するわよ。
おじいちゃんもおばあちゃんもそうやって素晴らしい肉体を手に入れているわ。
ああ、あの家政婦がおばあちゃんで、庭師がおじいちゃんだったのか・・・。

 

そう言えば、映画冒頭に町なかで黒人が拉致される場面が映っていた。
あれもそういうことだったのだな。

 

監督のジョーダン・ピールは人気コメディアンとのこと。
そんな人が初監督作でこれだけのものを撮るなんて、すごいなあ。
アカデミー賞では脚本賞を受賞しています。