2004年 106分 アメリカ
監督:ピーター・チェルソム
出演:リチャード・ギア、 ジェニファー・ロペス、 スーザン・サランドン、 スタンリー・トゥッチ
邦画のハリウッド・リメイク。 ★★☆
オリジナルはもちろん周防正行監督の「Shall we ダンス?」。
登場人物の設定も物語もほぼ忠実なハリウッド・リメイク作である。
弁護士のクラーク(リチャード・ギア)は妻(スーザン・サランドン)と娘との平穏な生活を送っていた。
何の不満もない生活。忙しく過ぎる毎日。
それで満足していたはずだったのだが。
しかし、通勤電車から見えるダンス教室の窓辺にたたずむ美女の姿が気になり、ある日、ダンス教室を訪れてみる。
日本では、社交ダンスが趣味です、というと、いささか怪訝な顔をされるのではないだろうか。
それほど一般的な趣味ではない。
それどころか、他人にその趣味を知られるのは少し恥ずかしいという気になるのではないだろうか。
どうしてだろ?
アメリカでは社交ダンスは日本よりは一般的だし、そのあたりの感覚はどうなのだろうと思っていた。
でも、アメリカでも社交ダンス趣味は特殊?
クラークは家族に内緒でダンス教室に通いはじめ、次第に熱中していく。
帰りが遅くなり、ワイシャツに香水の匂いを嗅ぎ取った妻は浮気を疑ったりして・・・。
オリジナルで個性的な役どころだった竹中直人の位置に誰を持ってくるのかと思っていた。
なるほど、スタンリー・トゥッチとは! たしかに上手く持ってきたものだ。
個人的な好みで申し訳ないのだが、ヒロイン役としては草刈民代よりは圧倒的にジェニファー・ロペスの勝ちだった。
ただ、ヒロインの抱えていたダンスにまつわる苦悩は草刈民代の方がよく表現していた。
映画の後半で、リチャードギアが、妻から贈られたエナメル靴を履き、蝶ネクタイ姿となる。
一輪の赤い薔薇を持って、上りのエスカレーターに乗って妻に会いに行くのだが、あまりの格好良さにうなってしまう。
さすが、ギア様。日本人には絶対に真似ができないなあ。
クラークが社交ダンスのことを妻には内緒にした理由を、今でも充分に幸せなのにそれ以上に喜びを求めてしまうのが申し訳ない気持ちだった、と言っていた。
なるほど、そんな気持ちもあるのか・・・。
最後にダンス教室の扉を開ける人も、意外な人物でほっこりした。
この映画、オリジナルを観ている人は両者を比べる楽しみもありますが、観ていない人はこのハリウッド版が純粋に楽しめます。
誰にでもお勧めできる映画です。