2022年 109分 韓国
監督:パク・デミン
出演:パク・ソダム
特殊配送カー・アクション。 ★★☆
ウナ(パク・ソダム)は、公にはできない事情の人を運ぶ”特殊配送”のドライバー。
彼女は天才的なドライビング技術で、依頼された場所へ依頼時間きっちりに依頼された人を送り届ける。
冒頭で、何者かに追われている男二人を配送する仕事を請け負う。
男たちは迎えに来たウナを見て、なんだ、女か、大丈夫か?と文句を言う。
シートベルトを締めてね、と言った彼女は急発進をして問答無用の運転を始める。
ドリフトや180度方向転換、隘路の爆走・・・。すごいよ。それを彼女は無表情にやってのける。
この冒頭部分でカーアクションものの醍醐味を充分に味わせてくれる。
こうした”違法商品”の配送とくれば、まずステイサムの「トランスポーター」シリーズが思い浮かぶ。
逃がし屋ドライバーものとしては「ドライヴ」、「ベイビー・ドライバー」もあった。
本作もこの系列にしっかりと食い込むものだった。
おまけに次に触れるように「グロリア」の姉御ドラマが加味されるぞ。
ウナは海外逃亡を図る賭博ブローカーとその息子ソウォンを港まで運ぶという依頼を引き受ける。
しかし、父親は殺され、幼いソウォンに頼られたウナは逃亡のハンドルを握ることになる。
ソウォンは大金の入った貸金庫の鍵を持っており、それを悪徳警官や怖ろしい殺し屋が追いかけてくるのだ。
パク・ソダムといえば、「パラサイト」の長女役だった。
あの映画で家庭教師役に化けた彼女が教えた子供が、今作の配送品の少年。
ちょっと面白い。一度共演しているとお互いに演じやすいということはあるのだろうか。
ソウォンがウナのことをいつも「おばさん」と呼ぶのが面白かった。
私の目から見れば当然「お姉さん」なのだが、少年から見れば「おばさん」かあ、なるほどね。
パク・ソダムはカー・アクションだけではなく、生身のアクションも頑張っている。
空中反転、回し蹴りなどのワイヤー・アクションも見事にこなし(これには感心した)、スプリンクラーを作動させてずぶ濡れになったりもする。
血だらけ、傷だらけになって少年を守ろうとするのである。
(以下、ネタバレ)
ラスト、ウナが何事もなかったかのようにあらわれたのは余分だった。
あの状況からでは絶対に無理でしょ。
どうしてもあのラスト場面を出したいのだったら、手錠はなしにしとかなけりゃ・・・。
この結末ということは、続編を作るつもりかな?
パク・ソダムの無表情な演技がよく効いていて、楽しめる作品でしたよ。