2024年 109分 日本
監督:飯塚健
出演:重岡大毅、 中条あやみ、 間宮祥太朗、 森川葵
推理ドラマ。 ★★☆
原作は東野圭吾の同名小説。読んでいたかと思ったが、未読だった(苦笑)。
彼は、吉田修一、伊坂幸太郎、池井戸潤とならんで沢山の小説が映画化されているのではないだろうか。
原作が面白ければ、映画の脚本も大転けすることはないのだろう。
で、小説やらコミックの原作の映画化ばかりが多くなる・・・。決して悪いことではないのだが、少し寂しい気持ちにもなる。
ある劇団の7人の役者のもとに、新作舞台の主演の座を決めるオーディションへの招待状が届く。
貸し切り別荘でおこなわれるオーディションは4日間の合宿形式。
参加者たちは、「大雪で閉ざされた山荘で起こる連続殺人事件」というシナリオを演じることに。
いたるところに監視カメラがしかけられた山荘で、1名の別劇団の役者も加わった8人が生活を共にし始めると・・・。
閉ざされた場所での連続殺人事件とくれば、これはもう本格推理ものの王道の設定。
本作がユニークだったのは、この”閉ざされた”という条件がオーディションの名目で便宜上設定されたものであること。
同様に、生じる殺人事件もオーディションのための仕掛けであるかもしれないこと。
一夜が明ける度に、一人、また一人と、参加者が消えていく。
おいおい、これ、お芝居だろ? 俺たち、試されているだけだろ?
でも、本当に殺人事件が起きているとしたら・・・。裏庭には死体を投げ込める井戸があるぞ・・・。
オーディションに参加している8人を演じる俳優さんたちは、数人を除いて知らない若手ばかりだった。
はじめは見分けがつかなくて若干の戸惑いもあったのだが、それはすぐに解消された。
このあたりは描き方が巧みだったせいだろう。
”探偵”役も次第に活躍しはじめるし。
そして、どうやら本当に連続殺人がおこなわれているようなのだ。
しかも、殺された3人にはある共通の、殺されるほどの恨みをかう過去の出来事があったのだ。
う~む、なるほど、そんな出来事が裏にはあったのか。
その過去の悲劇の主人公役に森川葵。
彼女はTVバラエティの「実際どうなの課」でさまざまな技(アーチェリーや、ブーメラン投げ、けん玉、ビリヤード、カード投げ、などなど)に挑戦している。
この番組は好きでずっと観てきているので、こういったシリアスな役どころを観ると、何となく違和感(苦笑)。
つい、「ワイルド・スピード森川! おつかれ森川!」と言ってしまいそうになる。
それはさておき。
”観る人を騙すのが仕事”の役者、って本当に大変だなあと思う。
三重構造になっている物語、というのが謳い文句のようだが、そのことはあまり意識せずに観る方が楽しめると思う。
事前情報はなるべく入れずに鑑賞することをお勧めする。
しかし、こういう映画を観たあとに原作小説を読むかどうかは、いつも迷うところ。
本作に限ってはもう読まなくていいかな。