あきりんの映画生活

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「怒り」 (2016年) 信じ切れる? 裏切られる?

2016年 日本 142分  
監督:李相日
出演:森山未來松山ケンイチ広瀬すず綾野剛宮崎あおい妻夫木聡、 渡辺謙

サスペンス風の人間ドラマ。 ★★★☆

 

吉田修一の小説「犯罪小説集」を映画化した「楽園」は好かった。
また、吉田の同名小説を李相日監督が映画化した「悪人」も好い出来だった。
本作は吉田修一原作、李相日監督のコンビ。これは観ておかなくては。

 

東京・八王子で起こった殺人事件を核にして物語がすすむ。
その事件の犯人は現場に「怒」という血文字を残し、顔を整形して逃亡したままなのだ。
それから1年がたち、千葉、東京、沖縄で、どこからかあらわれた前歴不詳の男をめぐる3つの物語が描かれる。

 

千葉の漁港で暮らす洋平(渡辺謙)と娘の愛子(宮崎あおい)。
愛子には精神的に危ういところがあって、傷ついた心と体の彼女を父は実家へ連れ戻していたのだ。
彼らの前に田代(松山ケンイチ)という青年が現れ、洋平と一緒に働き始める。

 

愛子は田代に惹かれていくのだが、そんな娘が洋平は心配でならない。
宮崎あおいが上手い。
精神がどこか未熟なあおいが父に向かって叫ぶ、私なんかに幸せな恋はできないと思っているやろっ!

 

東京で大手企業に勤める優馬妻夫木聡)は、ゲイ・クラブで直人(綾野剛)と知り合う。
一緒に暮らしはじめる二人だが、直人はどこか謎に包まれている。
暗い影を背負っているような雰囲気を漂わせて、綾野剛も好いなあ。

 

沖縄に転校してきた女子高生の泉(広瀬すず)は、友だちと一緒に訪れた無人島で田中(森山未來)というバックパッカーと知り合う。
泉は彼から、ここで俺が生活していることは人には言わないで欲しい、と頼まれる。
そんな泉を悲劇が襲う。広瀬すず、かわいそう・・・。

 

それぞれの土地で過去を打ち明けないで暮らす3人の男。
3つの物語が混じり合うことはない。平行して描かれていく。
この3人の中のだれかが「怒」と書いた殺人犯なのだ。いったい、どいつが犯人なのだ?
それとも、3人とも違う?

 

ということで、顔を整形して逃亡している殺人犯は誰かというミステリーなのだが、それを軸にして過去のわからない男とその周りの人間関係が描かれていた。

 

そして、怒りとは。
社会的な罪への怒りは当然ある。そして、どうしても人を疑ってしまったり、人を信じ切れなかった自分への怒りがある。
さらには、信じていた人に裏切られた怒りもある。

 

それらの怒りを孕んだ3つの物語。
どのパートの役者陣もすばらしく、重い内容のドラマをそれぞれに見応えがあるものにしていた。