2017年 日本 117分
監督:入江悠
出演:藤原竜也、 伊藤英明、 仲村トオル
あっと、サスペンス。 ★★★★
副題は「私が真犯人です」。
日本の小説を原作にして、2012年には韓国映画「殺人の告白」が作られている。
いわばこれはそのリメイク作。
しかし、これは絶対にストーリーを知らずに観る方が面白い。というか、知らない人たち用の映画。
22年前に5人の命が奪われる連続殺人事件が発生した。
その事件は猟奇的で、被害者の親しい者を身動きできないようにしておいて殺人現場を目撃させる、という非道なものだった。
担当刑事・牧村(伊藤英明)は犯人逮捕までもう一本歩のところで取り逃がし、そのまま時が過ぎ事件は時効を迎えた。
すると突然、曾根崎(藤原竜也)という男が自分が犯人だと名乗り出てきた。
まあ、この曾根崎が憎たらしい奴。
もう時効になったので犯人だと判っても罪に問うことはできない。それをいいことにやりたい放題。
告白本を書いてベストセラーにはなるわ、被害者家族のところへ行ってはこれ見よがしに土下座して謝ってみせるわ、もう憎たらしいことこの上ない。
藤原竜也は「藁の楯」でも凶悪犯を演じていた。
あの映画では遺族から命を狙われており、警察は必死に(悪人である)彼の命を守る、というものだった。
ふてぶてしい藤原竜也が見事。
この映画でも、曾根崎に妹を殺されているのに牧村は、立場上、彼を暴漢から守ったりしなければならない・・・。
この辺りの持って生き方は巧みだった。
法で裁けない悪人はどうしたらいいのか? 個人的な復讐は許されるのか? という問題提起かと思っていた。
・・・違った。この映画の狙い目はそこにはなかった・・・。
この事件を冷静に取りあげていくニュース・キャスターの仙道役に仲村トオル。
TVに生出演していくことで、曾根崎はますます注目されることになる。
すると、曾根崎は犯人ではない、俺が本当の犯人だという人物が現れる。えっ!
真犯人でなければ絶対に撮れない映像も俺は持っているぞ。えっ!
それでは曾根崎は何者? それに、新しく名乗り出た人物は本当に真犯人?
この映画は、始めにも書いたように、ネタを知らないで観ることを強くお勧めする。
ということで、私の感想もここまで。
あっと、サスペンス、ですよ。お勧めですよ。