あきりんの映画生活

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デジャヴ (2006年)

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2006年 アメリカ 127分
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、 ポーラ・パットン

SFクライム・サスペンス。 ★★★★

これは困った。ネタバレをしない限り、映画の感想が書けない、映画の面白さが紹介できないような内容である。
デジャヴというタイトルからは心理的なあやを狙った作品かと思ったら、全く違った。
とにかく通常のサスペンスものではありません。SF風味です。というか、それ以上。

導入部はクライム・サスペンスの趣き。
たくさんの人を乗せたフェリーの爆破テロが起こき、ATF捜査官ダグ・カーリン(デンゼル・ワシントン)が調査を始めるというのが、発端。
爆破されるフェリーに乗り込む人たちの無邪気な様子が映され、その様は映画の後半でまた大きな意味を持ってくる。このあたりは上手い。

ダグはその能力を見込まれて、FBIの特別捜査への協力を要請される。
その捜査方法とは、なんと、新開発の監視システムを使って、過去の特定のエリアを自由に見る、というものだった。
このあたりで、あれ、ちょっと待てよ、これ、普通のサスペンスものと違うぞ、ということに気づいた(なにしろ、ほとんど予備知識なしで観はじめたので)。これ、SFじゃん。

ただし、そのシステムによって見ることのできるのは、現在から“4日と6時間前”のものだけ、という制約が付いている。
ちょうどそれだけ前の時間の映像を1回だけ再現できる、というところがミソである。(今日の事件現場を再現するためには、4日間またなければならないということになる)

犯人によって殺されたクレアという美しい女性が事件のカギを握っているとにらんだダグは、4日前の彼女の家の再現映像をチェックし、彼女の家の捜査をおこなう。
そんな彼の元へ知らない女性からの電話がかかってくるのだが・・・。

かかってきた電話番号は、なんとクレアの家のものだった。これはどういうことだ?
4日前の再現映像の中のクレアは、今、人が訪ねてきている、と言う。誰が訪ねてきていたのだ?
クレアの部屋からは血だらけのガーゼが見つかったり、マグネットの文字では「お前は彼女を救える」との文がつづられていたりする。あの血は誰のものだ? あの文字を書いたのは誰だ?

SF風味ながら、事件の解明へ向かって謎がどんどんとふくらんでいく。面白い。
そして、驚愕の展開につながっていく。えっ? そうなっていくの?

(以下、完全にネタバレ!)

タイム・トラベルものだから、結末がどうなるか判らない。はたしてダグはどうするのか、クレアは助かるのか、とはらはらする。

クレアを助けてダグは死んでいくのだが、そこはそれ、話はハッピー・エンドへ向かう。
理屈としてはいろいろと矛盾は出てくるのだが、SFの世界ではひとつの位置を確立している<多次元宇宙>の考え方で、まあ、クリアしようとしている。
(それにしても、死んだダグがいる次元で、生きているダグが登場してくるのは大きな矛盾なのだが)

とても面白く見終えることが出来たので、細かい突っ込みはなし。
最後に、クレアを見つめていたダグが、まさかね、といった風に首を小さく振る。あれはデジャヴを感じたからだったのだろうな。