あきりんの映画生活

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スライディング・ドア (1997年)

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1997年 アメリカ 100分
監督:ピーター・ハウイット
出演:グウィネス・バルトロー、 ジョン・ハナー

”もしも、あのとき”のラブ・ストーリー。 ★★★

誰でもが考える”もしも、あのとき”。
ある時点での行動によりそれ以後の人生が変わってしまうことは想像をたくましくさせてくれる。
この手の代表作が「バタフライ・エフェクト」だった。

この作品のヒロインのヘレン(グウィネス・パルトロー)は、会社を首になった日に早めに帰宅しようとする。
ひとりのヘレンは地下鉄にやっと間に合って乗り込む。そのために、同棲しているジェリーが元彼女とベッドにいる場面に出くわしてしまう。
もうひとりのヘレンは地下鉄に間に合わなかった場合で、こちらのヘレンが家に着いたときには元彼女はすでに帰った後だったので、ジェリーが浮気をしたことには気づかない。

こうして2つの場合のその後の物語が交互に出てくる。
浮気現場を目撃して失恋した方のヘレンは髪をばっさりと切って髪型を変えたりするので、2人のヘレンの物語を混同することはないように出来ている。なるほど。

それに、2つの物語が絡みあうこともほとんどない。
失恋をした方のヘレンは新しい彼・ジェームズと出会う。そこへ未練を残すジェリーがすがってくる。
浮気に気づかなかった方のヘレンは、ジェリーと元彼女との三角関係にまきこまれていく。だからこちらの物語にはジェームズは登場しない。

このように、ヒロインが同じの2つの場合の物語を並行して見せられている、といった感じとなっている。
その意味では”もしも、あのとき”という設定をそれほど大胆に生かしているわけではない。

ただ、ときどき面白い場面も出てくる。
まだヘレンとつきあっている方のジェリーが街を歩いていて、もうジェリーと別れた方の髪を短く切ったヘレンを見かけるとか。
そういった2つの世界をもっと入り乱させるような仕掛けをしたら、ぐんと面白くなったのではないかと思ってしまう。
話はとてもややこしくなるのだろうけれど。

2つの話がどんな風に終わるのだろうと思っていたのだが、そのあたりの決着はうまくつけていた。
一人のヘレンの物語が終わり、もう一人の方のヘレンがその物語を引き継ぐのだ。
と、こう書いても何のことかよくわからないわけだが、映画を観ると、なるほど、と思えるだろう。巧み。
・・・でもなあ、ちょっとなあ・・・という気がしないでもないのだが。

驚くほどに細身のグウィネス・パルトローがとてもきれいである。
ファッションについては疎いのだが、衣装はカルバン・クラインとのこと。ロング・コートが格好良い。
彼女はこの翌年の映画「恋に落ちたシェークスピア」でアカデミー主演女優賞をとっている。

設定はひねっているのだが、内容は直球勝負のラブ・コメです。