あきりんの映画生活

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約三十の嘘 (2004年)

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2004年 日本 100分
監督:大谷健一郎
出演:椎名桔平、 中谷美紀、 妻夫木聡
    田辺誠一、 八嶋智人、 伴杏里

列車内サスペンス。 ★★☆

寝台列車「トワイライトエキスプレス」で3年ぶりに再開した詐欺師グループが、インチキ商法で大金をせしめようとする。今回初めて参加した者や、3年前にみんなの金を失わせてしまった者や、すっかり覇気をなくしている者などがいて、集まった6人の思惑が交叉する。

舞台劇の映画化で、ほとんどは寝台列車の内部だけでストーリーが進む。
主な登場人物も詐欺師グループの6人だけで、あとは本当に脇役で列車の車掌、タクシーの運転手が出てくるだけ。
会話が中心であるし、場面も単調な絵柄になるので退屈するかと思ったが、過去の因縁や仲間内での男女関係なども次第に明らかになってくる展開で、わりと良いんじゃないの。

画面は、インチキ商法の場面はカットして、あっというまに大金をせしめた帰りの寝台列車車中になる。
ストーリーはプロの詐欺師同士の騙しあいに集中しようというわけだ。
一夜が明けて、当然のように大金を入れた鞄が忽然と消える。
盗んだのは誰だ? 誰と誰が共謀している? さあ、ここからだ。 

この映画の出来の問題はこのあたりからの展開にある。
大金を入れた鞄にしても、それを開ける鍵のエピソードにしても、ネタのばらし方がちょっと素直すぎる。観ている者に説明しすぎている。
観客につく”嘘”が鮮やかでなかった。もっと、もっと騙して欲しかったぞ。

それに、最後まで知的興味で引っ張っていって欲しかったのだが、終盤に近づくにつれて次第に情に訴えるような展開になってしまった。あれは多いに残念。
あんな結末でみんな満足する? 
この映画にラブ・ストーリーは求めていなかったんだけれどなあ。

椎名桔平のとぼけたような演技はなかなかによかった。
それに中谷美紀のきりりとした美しさには驚いた。それだけに終盤での彼女の役割には不満が残る。
がっかりだったのは伴杏里。こう言ってはなんだが、他の出演者に比してあまりにも演技が下手だった。かなり重要な役どころなのに、ちょっと勘弁してくれといいたくなるような場面が少なからずあった。

観ている間は退屈することはなかった。しかし、である。
実は、部屋の中だけで展開されるサスペンスもの、ときいて、あの「キサラギ」的なものを期待していたのだが、そこまでの作品ではなかった。
キサラギ」はやはり大したものだったのだと、あらためて感心する。