あきりんの映画生活

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「地球が静止する日」 (2008年)

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2008年 アメリカ 106分
監督:スコット・デリクソン
出演:キアヌ・リーブス、 ジェニファー・コネリー

宇宙人とのコンタクトもの。 ★★☆

古典的SF映画の傑作とされる「地球の静止する日」のリメイク作。
あちらを観て、60年前にすごい映画があったものだと感心していた。
だいたいが”タコお化けの宇宙人”しかなかった時代に人間型の宇宙人を登場させて、しかも”宇宙戦争”ではなくて、友好的に接触して来るという発想自体がすごいことだった。

こちらのリメイク版の評判はあまり芳しくないようだった。
で、観るのをためらっていたのだが、キアヌ・リーブスは嫌いじゃないし、ということで観てみた。
で、結論としては、思っていたほど悪くないのではないか(観る前は、どんなに酷いんだ?と思っていた)。

設定はオリジナル版と同じであり、ストーリーもほぼ忠実である。
いわく、ある日、謎の巨大な球体が飛来し、中からは宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーブス)があらわれる。
いろいろな分野の専門家を集めた対策チームが結成されて、生物学者ヘレン(ジェニファー・コネリー)も招集される。

この宇宙船のあらわれ方や宇宙船そのものの描き方、それにクラトゥを守る巨大ロボットなどの映像は、さすがに時代の差を感じさせる。
セットとミニチュアしかなかった頃から、CG万能の時代になったことを実感する。
もちろん映画は映像だけではないのだが、やはり素晴らしい映像は大きな要素のひとつである。
(でも、映像だけでは駄目なんですよ、「2012」のエメリッヒ監督へ)

接触が続くなかで人類と宇宙人との能力の圧倒的な差を見せつけられ、さらに人類に対して宇宙からの最後通告がなされる。
他の知的生物を知らなかった人類のおごりを自覚させられ、愚かさに気づかされるあたりは、もう自虐的といってもいいほど。

なす術もない人類の運命が絶望的であるということになると、今度はニコラス・ケイジの「ノウイング」の展開を思ってしまうなあ(笑)。
あれは酷かった。

本作の展開も、甘い!という一言。
人類の生殺与奪権を握っているクラトゥの判断基準が、あまりにもお粗末な設定で、あまりにもご都合主義。
なんとか終わらせました、という印象しか残らないぞ。

映画は終わったが、しかし、あの後、人類は変われたのだろうか。
いくらヘレンがこれからの地球についての進言をしたとしても、大多数の人類の本質が変わるとも思えない。
すると、クラトゥはまたやって来るんじゃないの? やはり人類は駄目でしたね、と言いながら。

註:オリジナルと本作では、タイトルが1字だけ違います。「地球の・・・」と「地球が・・・」です。