2009年 日本 130分
監督:佐藤東弥
出演:藤原竜也、 香川照之、 天海祐希
遊園地的なぞなぞ遊び。 ★★☆
友人の借金の肩代わりをさせられた青年カイジ(藤原竜也)が、一攫千金を夢見て無謀なゲームに挑戦するという、コミック原作もの。
設定は非現実的だし、人物描写も類型的、演技は戯画的にオーバー気味。
こう書いてしまえば身も蓋もないが、はじめからこれはそういう描き方の映画なのだと思えてしまえば、実際の所はなかなかに楽しめた。
勝てば高額の賞金、負ければ終わりのない強制労働、あるいは死、というゲームを、コンピューター・ゲームとしてではなく、生身の人間がおこなう。
ゲームは3つが出てくる。
そのうちのふたつは、じゃんけんゲームと、Eゲームというカード・ゲーム。これはルールがわかりやすく説明されて、合格。
特に二人での対局ゲームとなるEゲームは心理戦なわけだが、対戦相手の利根川(香川照之)に推理を語らせることによって、判りにくくなる緊迫感を上手く出していた。
この場面が最大に合格。
もう一つのゲームの鉄筋橋は、高所恐怖症なので恐くて仕方がなかったが、あれ? なんでそんな場所でながながと会話してんの? なんでそんな場所で余裕かまして盛り上げようとしてんの?
あまりにも不自然でしょ。
で、ここは大いに不満が残る展開だった。
藤原竜也の演技がオーバー気味だったのは、わざとなのだろうが(舞台経験のせいもある?)、興奮すると台詞が聞き取れなかったぞ。
天海祐希の終盤の行動は、いくらなんでも不自然だった。もっと利根川との確執を描かなくては、いくらなんでも納得できないなあ。
香川照之の怪演ぶりはさすが。一番光っていた。なにしろ「キサラギ」のいちご娘を演った人だものね。
ということで、観ている時間のもとは取れる映画でした。