あきりんの映画生活

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「エニグマ」 (2001年)

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2001年 イギリス 119分
監督:マイケル・アプテッド
出演:ダグレー・スコット、 ケイト・ウインスレット

戦時下の暗号解読もの。 ★★☆

タイトルの「エニグマ」というのは、第二次大戦中にドイツ軍の開発した暗号機の名称。
連合軍はその暗号を解いていたのに、何故かドイツ軍が暗号コードを新しくしてしまった。
このままでは連合軍の輸送船団がUボートに襲われてしまう。なんとか新しい暗号コードを解読しなければ、というのがひとつの物語。

エニグマは特殊なタイプライターの形をしていて、文字キーを押すと一定の法則で別の文字が表示されるというもの。
その文字を変換する法則は、いくつかのダイアル操作の組み合わせによって無限に近く変えられる。なるほど、上手く考えてあるなあ。

連合軍は、気象情報がどう連絡されているかを傍受したりして、その解読を試みる。
既知の情報と照らし合わせて法則性を解明するわけだな。なるほど、やるなあ。
その解読するための機械がめちゃ大きい。
コンピューターのない時代に、気の遠くなるような組み合わせを照らし合わせていくためには、あれだけの装置が必要だったんだろうな。

丸眼鏡をかけたちょっとぽっちゃり体型の、本当にあか抜けない感じのヒロインが、主人公に協力してくれるのだが、彼女がケイト・ウインスレットだった。
ああ、そう言われりゃ、そうだ。
この作品では、なんか、ほのぼのとした雰囲気を漂わせていて、良い俳優さんになっている。

それに引き替え、暗号解読の天才で颯爽と活躍するはずの主人公(ダグレー・スコット)は、失恋でうだうだして、その未練でうだうだして、ケイト・ウインスレットの気持ちにも気づかないで、ホントに駄目な奴だった。

物語の背景には、ロシアによるポーランド将校虐殺事件、いわゆるカティンの森の大虐殺、がある。
それにからんでの主人公の元恋人の失踪の謎がからんでくる。
こうして、戦時下の暗号解読に、恋人の失踪、それにロシアが陰蔽しようとした歴史の汚点の発覚、これらが絡みあうので、ちょっと混乱する部分もある。
もう少しすっきりさせても良かったのではないかな。

しかし、はらはらするサスペンス要素も盛り込んでいて、楽しめる映画になっていた。
戦時下を舞台にした映画だが、銃後が舞台なので戦闘場面などはありません。
アクション性のまったくない知的な(?)映画です。