1955年 アメリカ 105分
監督:ビリー・ワイルダー
出演:トム・イーウェル、 マリリン・モンロー
コメディ。 ★★
あの伝説の、地下鉄送風口スカートめくれの場面があるモンローの映画である。
モンローの圧倒的な魅力が見せつけられる映画である。
夏のバカンスで家族が不在になったリチャード(トム・イーウェル)は根っからの真面目人間。
ところが、同じアパートの階上で素敵な美人(マリリン・モンロー)が暮らしはじめる。
自制しようとしながらも、彼女の魅力に引きずられていくリチャードは空想したり、アタックしてみたり・・・。
たわいもないコメディで、今からみればセクシーという言葉も可愛く見える程度の内容。
(時代的にも、いろいろと倫理的な制約があったようだ。
不倫なんてとんでもない、ということだったようだ。)
元が舞台劇なので、それこそ地下鉄送風口の場面を除いては、リチャードのアパートの部屋の中だけで物語は展開する。
舞台でもリチャード役をやっていたというだけあって、トム・イーウェルの演技は大したもの。
モンローは、「ナイアガラ」の時も思ったのだが、そこにいるだけで華がある。
他の出演者を圧倒してしまう。
さすが、伝説になった女優だけのことはある。
例の地下鉄送風口の場面だが、よくCMなどで観ていたのとは全く違った。
えっ、あれだけ? あれで大騒ぎしたの?
実は、実際のロケで取った場面は集まった群衆が多すぎて使えず、映画では、撮影所のセットで取り直したのを使ったとのこと。
(だから、いくら目をこらしてもモンローの下着が透けて見えたという伝説の場面はありません(笑))。
全体としては、とても上品な艶笑小咄といった雰囲気で、節度ある内容に収まってしまっている。
最後にリチャードが取った行動も品行方正、ご立派、としか言いようがない。
さあ、それにしても、モンローのような美人が同じ屋根の下に暮らしはじめたら、あなたは浮気妄想をせずにいられますか?