2006年 中国
監督:アンドリュー・ラウ
出演:トニー・レオン、 金城武、 スー・チー
刑事もの。 ★★★☆
恋人が自殺したことを契機に刑事を止めたポン(金城武)は、アル中の私立探偵になっていた。そんなポンは、かっての上司ヘイ(トニー・レオン)と今でも親友つき合いをしていた。
そのヘイは香港の億万長者チャウの一人娘スクツァンと幸せな結婚生活を送っていたのだが、ある日、義父チャウが何者かに惨殺された。
真犯人は、かなり早い段階から、映像で映しだされる。
えっ? どうして?
そんな人には見えないのに、どんな理由がこの行動の裏に隠されているのだろうか。
こうして、観ている者の興味は、誰が犯人? から、犯人は何故?に移っていく。
そして、この人が犯人なら、いったいこの後どうなってしまうのだろう? と。
事件は金品目当ての強盗殺人事件として解決される。
しかし、スクツァンから捜査依頼を受けていたポンはチャウの過去を調べるうちに意外な事実を突き止めていく。
金城武がアルコール中毒の割りにはしっかりし過ぎていた。
ま、彼の格好良さを生かすためには、あまりだらしないアル中にはできなかったのだろうな。
それに、ポンは今はただの私立探偵なのに、そんなにというほど、警察が親切に捜査協力をしてくれる。
警察は一介の民間人にそんなことまでは協力しないだろうが、と思ってしまうが、これもポンが事件を解決するためには仕方がないのだろうな(笑)。
捜査を進めるポンを助けて、しだいに好い感じの関係になっていく彼女がスー・チー。
酒場でビールを売り歩く派遣社員のような仕事をしていて、明らかにバド・ガールを真似たと思われるコスチュームも魅力的。
気が強そうでいながら可憐な感じで、とても良かった。
(彼女のアクション映画「クローサー」も面白かった)
ストーリーはつぎつぎに展開していく。面白い。
ただ、あまりに面白い展開にしようとしたためか、最後までいっても説明不可能なことが残されてしまっているのは、大いに不満だった。
(以下、ネタバレ気味)
たとえば、あの帽子を被ったストーカーまがいの男はなんだったのだ? 放火までしているし・・・。
それに、犯人はお前だろうと言って、携帯に電話をしてきたのは誰だったんだ?
事件の裏にあった物語はなかなかに奥があって、納得であった。
最後にある人物の名前の意外な真相が明かされるのだが、これには驚いた。感心した。
映画のはじめのほうから提示されていた小道具がよく効いていた。
なるほど、そうだったのか。
画面もおしゃれな感じで、退屈しないサスペンスものとして観ることができた。
若干、説明不足のところはあったが、主役の二人のそれぞれの格好良さ、、それにスーチーの可愛らしさには満足、満足。
最後にツッコミをひとつ。
医学的には、気管切開をしている状態では言葉をしゃべることは出来ません。アンドリュー・ラウ監督に、誰か教えてあげて欲しいぞ。