監督:ケビン・レイノルズ
出演:ジェームズ・カビーゼル、 ガイ・ピアース、 リチャード。ハリス、 ダグマーラ・ドミンスク
痛快活劇復讐もの。 ★★★
アレクサンドル・デュマ原作の物語は。小さい頃に少年少女文学全集の類で読んだ記憶がある(「巌窟王」というタイトルだったような気もする)。
子供向けのダイジェスト版だったのだろうが、面白かった。
港町マルセイユの船乗りのエドモン・ダンテスには美しい婚約者がおり、念願の船長へなることが決まっていた。ところが何者かの策略のために、いきなり牢獄に幽閉されてしまう。
ダンテスを陥れたのは3人の人物。彼らはそれぞれの理由でダンテスが自由の身では都合が悪かったのだ。
時代は1810年代で、ここであの歴史上の有名人物、ナポレオンが絡んでくるところがすごい。
ダンテスはそれから14年間も陽もささない独房で暮らすことになる。
そんな生活をしていれば肉体はもっと衰えて、筋肉はほとんどなくなり、皮膚は青ざめて、がりがりになるはずなのだが、あれ?筋肉質が保たれている。
韓国映画「オールド・ボーイ」のように日々獄中で鍛錬していたのだろうか。しかし、食量事情は悪かったはずだが。
ま、そんな細かいことは言いっこなし。
ダンテスは同じように無実の罪で幽閉されていた司祭に学問を習い、彼のおかげで脱獄に成功し、そのうえ莫大な財宝まで手に入れる。
さあ、復讐だっ!
ありあまる金にものを言わせて爵位もお城も手に入れたダンテスは、いよいよモンテ・クリスト伯として社交界に登場する。
ここからの復讐劇は痛快である。
なにしろ恨みがはっきりしている。単純軽快! 観ている方にも迷いはない。勧善懲悪! これしかない(笑)。
仇役のガイ・ピアースが意外に格好良い。もうちょっと憎々しげな俳優でもよかったぐらい。
2時間余りのかなりの長尺なのだが、なにしろ痛快活劇ものである、退屈する暇もないぐらいに面白い。
もちろん3人の人物にそれぞれの復讐を果たして、物語はハッピー・エンドとなる。
ダンテスが最後に結ばれるのは、原作ではエマという女性で、この映画には登場していない。
ということは、息子の設定とか、かなり原作とは変えてあるわけだ。
でも、まったくそんなことは気にならずに(原作の細かいところを忘れているので)、楽しめる作品になっていた。
少年の日のわくわく感をもう一度味わいたい人にお勧め。