2009年 アメリカ
監督:トロイ・ダフィー
出演:ジョン・パトリック・フラナリー、 ノーマン・リーダス、 ウィレム・デフォー
バイオレンス・アクション。 ★★☆
どうみたってB級のアクション映画なのだが、一部では熱狂的な支持を受けたという作品。
敬虔なクリスチャンの兄弟が、神の啓示を受けて警察も手が出せないような悪人を倒すというストーリー。
彼ら兄弟を”自警団”と市民が名付けたことからも、まるであのポール・カージーを思い出させる。そう、”私設警察”をチャールズ・ブロンソンが演じた「狼よ、さらば」である。
もっとも、あちらは落ちついた中年紳士が銃を手にしたことから次第に”私設警察”になっていくのだが、こちらは始めからイケイケのお兄ちゃんたちである。
全く同じ場所に刺青をした兄弟なのだが、二人とも超イケメンである(一人はモデル出身だった?)。
この二人が単純に格好良いのかというとそうではなくて、どこかお間抜けな部分も持っている。
そこが親しみを覚えさせて、うまい人物像となっている。
二人の起こした事件をFBIが調べはじめるのだが、この捜査官(ウィレム・デフォー)がぶっ飛んでいる。
とてつもなく悪ノリ、それでお下品。
イヤ・フォンでオペラを聴きながら殺人犯のプロファイリングをしたりする。 この男、狂ってるぜ!
ついには囮捜査をするのだが、なんと女装である。げっ! やっぱり狂ってる!
無敵の兄弟は次々にマフィアを倒していくのだが、彼らに対抗させるために、マフィア側は極悪非道・史上最強の殺し屋を差し向ける。
ところが、なんと、その殺し屋たるや・・・!!
これもまたぶっとんだ展開に呆気にとられる。いやあ、嬉しくなるねえ。
だいぶ荒削りの感じがする作品である。
格好良くて面白けりゃ細かいことなんか言いっこなしだぜ、といった監督がほくそ笑んでいるよう。
上品さとか洗練さなどは始めからまったく無視していて、そこがカルトっぽくて好かったのだろうな。
情緒とか雰囲気とか、そんな生ぬるいものを求めてはいけません。
とにかくぶっとんで観る映画です。