監督:ジョン・フランケンハイマー
出演:ロバート・デ・ニーロ、 ジャン・レノ、 ナターシャ・マケルホーン
ヨーロッパ舞台の強奪アクション。 ★★☆
ロバート・デ・ニーロとジャン・レノの共演ということで、少なからぬ期待を抱く。
監督はあのジョン・フランケンハイマーであることだし・・・。
タイトルの「RONIN」は日本の”浪人”のことだとの説明が冒頭に入る。
主君を持たずに・・・ということのようだが、あまり精神的な意味あいはなかったよう。
映画では単にお金で雇われた”傭兵”と変わらない感じだった。
さて、謎の女性(ナターシャ・マケルホーン)に集められたのは、運転のプロ、電子機器のプロなど、元スパイや特殊任務に就いていた者ばかり。
導入部の酒場の場面はクールな感じである。
デ・ニーロが店の裏口に拳銃をあらかじめ隠しておくところなどは、いかにもプロ、という雰囲気を出している。いいねえ。
男心をくすぐるような襲撃計画がすすみ、金属ケースの強奪という請負仕事が始まる。
そして激しいカー・チェイスの場面もでてくる。
この場面は、フランケンハイマーがこだわりをみせてほとんどが実写だったとのこと。
ニースの街のあの曲がりくねった狭い道を実際にぶっ飛ばしたのだから大したもの。
非常に頑張った映画ではある。
なにせデ・ニーロとジャン・レノである。
しかし、中ほどからどうも緊張感が続かなくなってくる。何故だ?
裏切りや、謎の依頼主など、物語を面白くしようとして無駄に話をややこしくし過ぎたき
らいがある。
それが失速の大きな要因だろうなあ。
金のために雇われたはずだったデ・ニーロは、実は”RONIN”ではなかった、というあたりも、無駄な設定に思えた。
ジャン・レノの潔さの方が印象深くなってしまっていた。
もうちょっと傑作になってもよかったと思うのに、残念。
「ソラリス」で美しい亡妻を演じていたナターシャ・マケルホーンが小雪に似ていたのは、嬉しいことでした。