2001年 アメリカ
監督:マイケル・クリストファー
出演:アンジェリーナ・ジョリー、 アントニオ・バンデラス
妖艶なファム・ファタール。 ★★★
26歳のアンジェリーナ・ジョリーの妖しい美しさを堪能する映画。
彼女に翻弄される一途なダンディ男をバンデラスも好演している。
破滅に向かうような危険な恋の駆け引きの物語。
舞台は19世紀後半のキューバ。
大富豪のルイス(アントニオ・バンデラス)は、会ったこともないアメリカ女性ジュリアを妻に迎えることにする。
港にジュリアを迎えにでたルイスの目の前には、事前に送られていた写真とはまったく違う美女(アンジェリーナ・ジョリー)があらわれる。
顔かたちで選んで欲しくなくてわざと別人の写真を送ったの。
・・・この女性、本当にジュリア?
原作はウィリアム・アイリッシュの「暗闇へのワルツ」
同じ原作でトリュフォー監督がカトリーヌ・ドヌーヴとジャンポール・ベルモンドの二人を起用して「暗くなるまでこの恋を」のタイトルで映画化している。
あまり評判はよくなかったようで、観たような気もするのだが、まったく覚えていない(汗)。
さて、大喜びで結婚したルイスはジュリアと蜜月の日々をおくる。
二人の入浴シーンも映されるのだが、その甘美なことといったら・・・。
アンジーの妖艶な美しさを堪能するこの場面を観ることができるだけでも、この映画の価値がある?(笑)
しかし、訳あり美女がそんなに単純に男の夢を叶えてくれるはずがない。
いくらバンデラスが美男だといっても、やはり訳あり美女には気をつけなくてはいけなかったのだよ。
(以下、ネタバレ)
ジュリアは、ルイスの銀行預金をごっそりと引き出して行方不明になってしまう。
ああ、やっぱり、な。
ジュリアは始めからルイスの財産を狙って、悪賢いヒモの指示に従っていたのだった。
悪女のジュリア。可哀想なルイス。
しかし、ここで露呈するのが純情な男心。初心な恋心。
ジュリアに魅せられてしまっていたルイスは、自分を騙して消えた彼女を必死に捜し求める。
復讐のためではないよ。すがるためだよ。
ここから物語は二転三転。
腐れ縁のヒモ野郎に脅されて言うことを聞かざるを得ないジュリア。
でも、自分を一途に思ってくれて身の破滅も辞さないルイスにも心を動かされはじめるジュリア。
ラストはちょっと取って付けたような、懲りない二人の様子(笑)。
でもまあ、アンジーが幸せそうだったから、良しとしよう。