1986年 フランス 112分
監督:クロード・ルルーシュ
出演:ジャン・ルイ・トランティニヤン、 アヌーク・エーメ
あの名作の20年後の物語。 ★★★
ダバダバダ、ダバダバダの主題歌で有名な、あの「男と女」の20年後の物語。
監督も、出演者も、音楽のフランシス・レイまで、みんな前作と同じ顔ぶれ。(「続・男と女」というのもあるが、そちらは単なるハリウッド・リメイク作らしい。)
前作の最後は、駅で再会を果たした二人の場面だったことは誰でも覚えていると思う。
あのあと、二人はどうなったのか? 何も暗示しないままに映画は終わっており、余韻を残していた。
(前作を観たほとんどの人は、二人は幸せになったのだろうなとかすかに思っていたのではないだろうか。)
さて、この映画。
実は、二人はあのあと、すぐに別れてしまっていたのだ。そして、それぞれに新しいパートナーとの生活を過ごしてきていたのだ。
20年が経ち、今は映画プロデューサーとなったアンナ(アヌーク・エーメ)は、女優となった娘をヒロインにしてかっての二人の物語を映画化しようとする。
で、ジャン・ルイ(ジャン・ルイ・トランティニヤン)の了解を得ようとして、アンナは彼に連絡をとる。
アンナの娘役の女優さん(この映画の中で、アンナが撮る映画「男と女」のアンナ役をする。言葉で説明するとややこしい)が、若い頃のアヌーク・エーメにそっくりで驚く。実の娘ではないかと思ったほど。
ところどころでかっての実際の「男と女」の場面が挿入される。なつかしい。
撮影現場に立ち合っている内に、アンナとジャン・ルイの二人のそれぞれの思いも微妙に揺れてくる。
アンナは二人目の夫とも別れていたが、ジャン・ルイは息子(今はボートレーサーになっている)の妻の妹と一緒に暮らしていた。
で、ちょっとした騒動も起きてしまう。
アンナが、どうしてあの時私たちは上手くいかなかったのかしら?と言う。
ジャン・ルイが、出会うのが早すぎたんだ、と答える。
美しい画面、ときおり流れるあの主題曲(コーラスはのりません)、すっかり大人になった二人の陰のある会話。
ルルーシュの悪戯心のようなサスペンス風味が脇の物語として入ったりもします。
今回もお洒落な映画です。
でも。
端的に言って、「男と女」のファンでない人にはまったく意味のない映画です。
そして、「男と女」のファンの人には、ルルーシュはどうしてこんな映画を作っちゃったんだろ?と訝しくなったりもする映画です(苦笑)。