監督:ジャック・ドレー
出演:アラン・ドロン、 ジャン・ルイ・トランレィニヤン、 クローディーヌ・オージェ
ドロンの刑事もの。 ★★☆
フランス史上に残る凶悪犯を追った刑事の、実話に基づいた物語とのこと。
緑色のトレンチ・コートに身を包んだアラン・ドロンが刑事ボルニッシュ。
そして冷酷無比な凶悪犯エミールに、なんとジャン=ルイ・トランティニャン。
この映画では、ダバダバダの音楽は流れないし、甘い雰囲気は封印した迫真の演技。
刑務所からエミールが脱獄したとの知らせが入る。
エミールはすぐに昔の仲間たちと銀行強盗はするわ、高級レストランの客を襲うわ、やりたい放題。
いとも簡単に銃での殺人も繰り返していく。
国家警察局のボルニッシュは上司の命令を受け、エミール逮捕に全力を傾ける。
情報屋を使い、こつこつとエミールに迫るボルニッシュ。
相変わらずドロンは格好いい。渋い。
この映画ではやけにタバコを吸う。この時代ではタバコもお洒落アイテムの一つだったのだな。
それにしても、フランスでは国家警察と警視庁がライバルのようだったが、どういう関係なのだろう?
CIAとFBIみたいなもの?
実話をも元にしているせいか、物語の展開にはそれほど派手な部分はない。
最後になってやっと盛り上がる。
エミールの居所をつきとめたボルニッシュは警官隊の到着も待たずに2人の部下と自分の恋人(クローディーヌ・オージェ)の4人で乗りこむ。
そこは郊外のレストランで、エミールを油断させるために恋人にも協力してもらったのだ。
一般客を装ったボルニッシュたちの正体が見抜かれないかどうか。
エミールの隙をどうやってつくか。
なにしろエミールは手榴弾まで持ち歩いているような奴なのだ。
このレストランの場面は緊張感があって、見応えがあった。
やや単調な映画ですが、フランス犯罪ものらしい雰囲気があります。
ドロンも好かったですが、この映画ではなんといっても非情な悪役のトランティニヤンでした。