あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「真夜中の刑事」 (1976年)

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1976年 フランス
監督:アラン・コルノー
出演:イブ・モンタン、 フランソワ・ペリエ、 シモーヌ・シニョレ

殺人犯にされる刑事。 ★★☆

しっとりとしたフランスの雰囲気が漂ってくるサスペンスもの。
舞台はパリから100kmあまり離れたオレルアンという地方都市。華やかさというよりも、落ち着いた佇まいで、好い感じである。

部長刑事のフェロー(イヴ・モンタン)がふとしたことで知り合い、恋仲になった女性シルビアはどこか謎めいた女性。
過去も分からなければ、今は何をしているのか、どこに住んでいるのかも謎のまま。
彼女のことが気になって仕方がないフェローは、シルビアの後をつけたりする。

主役のイヴ・モンタンシャンソン歌手としても有名。持ち歌の「枯葉」は日本でもおなじみ。
彼は映画俳優としても渋い演技を見せる。
「恐怖の報酬」ではカンヌのグランプリを取っているし、アラン・ドロンと共演した「仁義」ではアル中の狙撃手役がよかった。

謎の女性シルビアは、実はフェローの上司であるガネイ(フランソワ・ペリエ)の愛人だったのだ。おやおや。
フェローもガネイもお互いにそのことを知らなかったのだが、新しい恋人の存在を感じ取ったガネイは、発作的にシルビアを殺してしまう。
さあ、どうなる?

フェローたち警察はシルビア殺しの犯人捜しをはじめるのだが、愛人関係を世間に隠していたガネイの存在は浮かんでこない。
代わりに、シルビアにつきまとっていた怪しい男(実はフェローなのだが)が、犯人と目されてくる。

こりゃ、困った。
真犯人を捜そうとすればするほど、出てくる証拠や証人はフェローが犯人であるように差し示してくる。
殺された彼女の部屋には自分が書いた手紙が残っているし、彼女のアパートから走り去る後ろ姿を目撃されているし。
困って苛々するフェロー。この皮肉な展開が面白い。

シルビアの新しい恋人が実はフェローだったことを知ったガネイは、ついにフェローを犯人に仕立てようと画策しはじめる。
いよいよ窮地に追い込まれるフェロー。
明日の証人との面通しがおこなわれれば、もう万事窮すだ。さあ、どうする?

ガネイの奥さん役でシモーヌ・シニョレが出ているのだが(結構重要な役どころ。フェローを犯人に仕立てろと夫をそそのかしたりする)、実生活では彼女はイヴ・モンタンの奥さんだったらしい。へえ~。

監督の名前も作品も浅学にして知らなかったのだが、本当は有名監督の初期の代表作らしい。
犯罪捜査や撃ち合い場面があっても、ハリウッド作品のような派手さはない。けれども、じっくりと見せてくれます。
フェローの部下の刑事が好い奴なんだよな。