あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ペーパーボーイ 真夏の引力」 (2012年)

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2012年 アメリカ 107分
監督:リー・ダニエルズ
出演:ザック・エフロン、 ニコール・キッドマン、 マシュー・マコノヒー、 ジョン・キューザック

若者の苦い夏。 ★★

じめじめとした不快な暑さが伝わってきて、気持ちがささくれ立ってくるような映画。
とにかく登場人物たちの誰にも共感できない(住み込み家政婦のアニタだけが好い人だった)。
観ていると次第に不愉快になってくる。
それを狙った映画?

物語としては、街からやって来た記者(マシュー・マコノヒー)が死刑囚(ジョン・キューザック)の冤罪を晴らそうとする、という筋書きである。
その調査記事の依頼者は死刑囚の婚約者(ニコール・キッドマン)で、主役の青年(ザック・エフロン)は記者の弟という設定。

とこう書くと、とてもまともな物語の映画に思える。
出演者の顔ぶれもすごい。
ところがどっこい、精神が歪んだ人物ばかり。
ザック・エフロンは兄マコノヒーの手伝いをして、取材に付き合うのだが・・・。

死刑囚婚約者のキッドマンがとんでもなくビッチな女。
挑発的な服装で現れる彼女は、文通だけで婚約してしまうような女性。
そして死刑囚のキューザックは明らかに性格破綻者。

面会場面がすごい。
キューザックの異常な目線の先で、キッドマンは命じられるままに両脚を開き、ストッキングを破る。
そして命じられるままに卑猥な動作をして恍惚の表情を浮かべる。
こんな役を、ここまでの演技をキッドマンがする?! すごい、

まだ女性を知らないエフロンはキッドマンの魅力のとりこになってしまう。
そんな彼をもてあそぶようなキッドマン。

評判の悪かったキューザックは無実の罪を着せられたのか、これまた変人の叔父のアリバイ証言は本当なのか。
こういった事件の謎ときもあるのだが、この映画の印象は、とにかく登場人物たちの人間性
マコノヒーにも衝撃的な人間性が隠されていたし。

物語の後半、アメリカで問題となっているホワイト・プアといわれる人々の生活も出てくる。
そんな人たちが暮らす沼地でのクライマックス。
どうにも救いのない、身体にまとわりついてくるような不快感が漂ってくる。

う~ん、キッドマンをはじめとする豪華出演者の迫真の演技は見物です。
でも・・・。