あきりんの映画生活

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「太陽が知っている」 (1969年) またドロン様がモーリス・ロネを・・・

1969年 フランス 123分 
監督:ジャック・ドレー
出演:アラン・ドロン、 ロミー・シュナイダー、 モーリス・ロネ、 ジェーン・バーキン

避暑地での殺人サスペンス。 ★★☆

 

舞台は南フランスの避暑地、サントロペの豪華な別荘。
4人の男女の愛憎の駆け引きがあり、その果てに殺人事件が起こるというサスペンスもの。
登場人物も、最後の方にあらわれる刑事を除けば4人だけである。

 

広いプールのある別荘でバカンスを楽しんでいたジャン・ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)。
そこへ旧知の仲であるハリー(モーリス・ロネ)が、18歳になる娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)をつれて遊びにやって来る。
実はハリーはマリアンヌの元恋人で、今もマリアンヌへの執着が残っていたのだ。

 

ロミー・シュナイダーは当時は実生活でもドロンの婚約者だった。
いくつもの水着姿をみせてくれるし、中には裸身になる場面もある。彼女のファンだったら、これだけでこの映画は価値があることだろう。

 

娘役は、先日亡くなったジェーン・バーキン
後にセルジュ・ゲンズブールがパートナーとなり、エルメスの”バーキン”でも有名になった。
この映画の時は23歳。固いつぼみのような雰囲気を残しながらも、どこか危うい魔性を感じさせているところは、さすがにバーキンだった。

 

さて、そんな豪華な主演陣での肝心の映画の方だが、有り体に言って冗長であった。
ジャン・ポールとハリーの間で揺れ動くマリアンヌ、そしてペネロープにも惹かれていくジャン・ポール。
ドロンの美男子ぶりは健在で、マリアンヌにコナをかけるハリーに鬱屈した感情を高ぶらせていく。
この映画でも、(「太陽がいっぱい」と同じように)ドロンはモーリス・ロネに対して劣等感があるようなのだ。

 

4人の男女のそれぞれの相手への思いが交差して、それが変化していく。
それがこの映画の一番の見どころのはずだった。でも。。。

 

サスペンス映画なのだが、緊張感が伝わってこないのは致命的だった。
ジャック・ドレー監督は、ドロンとは何度も組んで映画を撮ってきているが、少なくともこの映画に関しては狙いが散漫なものになってしまっていた。

 

原題は単純そのもので「プール」。
これでは客が来ないだろうと邦題を考えたわけだけれど、まあ、ドロンとモーリス・ロネが出ての殺人事件とくれば、誰でも「太陽が~」とやりたくなるよね(笑)。

 

ドロンか、あるいはロミー・シュナイダーのファン向けの映画でした。
それ以外の方には・・・(汗)。