あきりんの映画生活

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「桜田門外ノ変」 (2010年)

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2010年 日本 137分
監督:佐藤淳彌
出演:大沢たかお、 伊武雅刀

史実もの。 ★★

物語としては、冒頭にまず桜田門外の変を描く。ところどころでそこにいたる経緯を振り返る。
そしてこの映画の力点は、”桜田門外ノ変、その後”である。

桜田門外の変というのは、言ってみれば、幕末のテロ事件である。
浦賀沖にやって来たペリーの黒船が、圧倒的な武力を背景に、日本へ開国を要求する。
水戸藩主・徳川斉昭らは尊皇攘夷を唱えて開国に反対するのだが、大老井伊直弼は開国を進め、ついには尊王攘夷派の大量粛清までもおこなう。
で、水戸藩の有志が、脱藩をした上で、雪の桜田門外で井伊直弼暗殺を企てる。

この暗殺事件によって何が変わり、何が変わらなかったのか。
そしてこの事件に賭けた人たちはその後どうなったのか。
この事件に至る情勢の説明は十分になされていて、日本史を知らない(あるいは忘れていた)人でもよくわかる。

ただ残念なことに(致命的なのだが)、人間が描けていない。
これが最大の問題点。
大勢の登場人物が並列的に語られるので、どの人物にも思い入れができない。
主役の大沢たかおにも、あまり華が感じられなかった。

井伊直弼暗殺と同時に薩摩藩が立ち上がり京都へ攻め上る密約も交わされていた。
しかし、歴史はそのようには動かなかった。
水戸浪士をはじめとする事件に関わった人たちは、やがてそれぞれの無念の最後を迎えていく。

テロップで人物名、没時年齢などが出るのだが、誰が誰だったのか、さっぱり判らずじまいであった。
これは、私の記憶力が悪いせいばかりではないぞ(きっと・・・)。

この映画は、茨城県の市民が主体となって企画し制作されたということです。