2011年 アメリカ 102分
監督:アスガー・レス
出演:サム・ワーシントン、 エリザベス・バンクス、 エド・ハリス、 ジェネシス・ロドリゲス
サスペンスもの。 ★★★
人生の崖っぷちに立たされた男が、文字通りに高層ビルの崖っぷちに立つ。
人目を引く一つの状況を提示して、その裏側で起こっているサスペンスを上手く絡みあわせている。
ニック(サム・ワーシントン)は、高級ホテルの21階の窓枠を乗り越え、幅わずか30cmの縁に立った。
元警官だったニックは、護送を命じられたダイアを盗んだという罪で刑務所に入れられていたのだが、父親の葬儀に参列した機会を利用して脱獄したのだった。
濡れ衣を着せられて人生に失望したニックは、本当にビルから飛び降りるつもりなのか?
ニックは窓の外のせまい縁にいるわけで、高所恐怖症の私には考えただけで尿失禁してしまいそうな状況(笑)。
自殺志願者を説得する女性プロ(エリザベス・バンクス)が、必死に思いとどまるように言うのだが、ニックは時折り本当に飛び降りそうになる。
ビルの周りに集まった見物人達はそのたびにどよめき、ついには早く飛び降りろとはやし立てる始末。
無名の一般大衆は残酷なものだ。
実はニックの行動には、弟ジョーイとその恋人と連携したある計画があったのだ。
それは・・・。
秘密大作戦のような展開もあるのだが、この部分はちょっと説明不足の感もあった。
どのような計画で、どの部分が難しいのかを判らせるようにした方が、はらはら感はもっと出せたと思うのだが。
渋い悪役は、盗まれたというダイアの持ち主だったエディ・ハリス。
すっかり痩せこけていて、これはこれでまた味のある雰囲気となっていた。
ニックたちを要所要所で助けてくれる謎の人物がいる。
初老の彼は、ある時はホテルの受付で部屋を手配してくれたり、ある時はニックが逃げ込んだ厨房で逃がしてくれたり。
何者なのだろうと思っていたが、最後の場面で、なあ~んだ、好かったね!
途中までは崖っぷちに立っていただけのニックも、後半には身体を張っての活躍となる。
この映画は主役がニックとなっているが、弟ジョーイを主役にしてワーシントンが演じるという手もあっただろうと思える。
その方が見せ場は作りやすかったような気もする。どうだろ?
途中から物語の展開は読めてしまいますが、それでも面白く最後まで楽しめます。