2013年 アメリカ 124分
監督:ジョゼフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ、 オルガ・キュリレンコ、 アンドレア・ライズブロー、 モーガン・フリーマン
地球滅亡後の世界SF。 ★★★☆
サスペンス、アクション、さらに恋愛と、いろいろな要素をSF仕立てにてんこ盛り。
どこか観たような設定もあちらこちらに見え隠れしたが、充分に楽しむことができた。
エイリアンの襲撃によって壊滅的な被害を受けた地球が舞台。
核汚染された地球では、ドローンと呼ばれる無人偵察機による監視が続けられ、ジャック(トム・クルーズ)はドローンのメンテナンスやパトロールをおこなっていた。
居住場所は荒涼とした砂漠の中にぽつんと建つ基地で、心身共のパートナー、ヴィカ(アンドレア・ライズブロー)と暮らしていた。
冒頭にジャックのモノローグで(たぶん、そうだったと思う)地球の現状や、自分たちの任務についての説明が入る。
当然、観る人はその説明内容を前提として映画の中へ入っていく・・・(苦笑)。
まあ、そうだよね、映画なのだから、観る人は差し出される映像と台詞で物語を体験していく・・・。
ある日、未確認の宇宙船が墜落し、ジャックは睡眠カプセルの中に美女を発見する。
覚醒した彼女、ジュリア(オルガ・キュリレンコ)は、なぜか会ったこともないジャックの名を呼ぶ。
彼女は何者? 敵なのか、それとも・・・?
地球は荒廃して一面の砂漠なのだが、なぜか、ジャックが秘かに訪れるオアシスが残されている。
これはちょっと都合がよすぎる設定なのだが、緑の木々や青い水の存在がどれほど美しいものかということは、確かによく伝わってくる。
それに、古い野球帽とか、トランジスタラジオとか、レコードとか・・・。
終盤に、”敵”の巨大宇宙基地へ乗り込む場面は、スターウォーズ以来の伝統的雰囲気で、悪くなかった。
それに、ジャックと共に死を決意して乗り込んだ相棒がヘルメットを脱いだ姿に、おおっ!そうだったか!(嬉)
「007」で初めて観たオルガ・キュリレンコだったが、今回は静かな役柄で、なかなかに好かった。
それに引き換え、ジャックをひたすら愛していたヴィカは、少し可哀想な役どころ。
回想場面からすると、ジャックに奥さんがいるのを知りながらその頃から彼のことが好きだった様子だし・・・。
ということで、謎が明かされていくサスペンスもあり、めちゃくちゃに強いドローンとの戦いもあり、SFアクション場面も楽しめる。
それに切ない三角関係(!)のラブ・ストーリーもある。
最近のSF映画としては上位に入るのではないだろうか。
(以下、ネタバレです)
主人公が信じていた組織が実は・・・、そして使命に忠実に戦っていた敵が実は・・・という展開はときおり見かける設定。
アンジェリーナ・ジョリーの「ウォンテッド」もそうだった。
しかし、この作品は嫌みなくまとめられていて、あざとくないところが好かった。
いろいろなSF映画へのオマージュがあるのだろう。一番はやはり「2001年宇宙の旅」かな。
それに、こんなことを言うのは野暮というものなのだろうけれど、登場した以外の、何千人ものジャックとヴィカは、一体どこにいて、どうなったのだろうか?