1977年 アメリカ 137分
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:リチャード・ドレイファス、 フランソワ・トリュフォー、 メリンダ・ディロン
ぎんぎら巨大UFO。 ★★★☆
45年前の映画である。今さらながらに再見。
原題は「第三種接近遭遇」。これはハイネック博士が1972年に発表した分類で、空飛ぶ円盤の搭乗員と接触する段階を差している。
「未知との遭遇」とした邦題も、原題直訳に比べてなかなかに好かったのではないだろうか。
宇宙人、そしてUFOの存在が次第に明らかになっていく序盤の盛り上げ方は、さすがに巧みなものだった。
時空を越えて大戦中の戦闘機が発見される砂漠の場面から、ばっちりである。
そして真夜中の道路で頭上を通過していく常識外れの発光体、顔面半分だけの日焼け。
いずれUFOがあらわれることを知って映画を観ているのだが、この展開はぞくぞくさせてくれた。
この映画にはいくつかのバージョンがあるが、今回観たのはファイナル・カット版といわれているもので、製作20年記念の再々編集版である。
最初の映画公開後に特別篇が作られたわけだが、そこで話題になったのはマザーシップの内部描写だった(このバージョンも観た)。
ファイナルでは再びそれはカットされていた。
政府はすでにUFOに対する大がかりなプロジェクトを組んでいたわけだが、映画はそんなことは知らない一般人の視点で物語を進めていく。
これは観ている者に少しずつ事態を明らかにしていくということになり、上手いやり方だった。
政府の責任者をフランソワ・トリュフォーが演じていたことにも驚いたものだった。
そしてなんといってもUFOのマザーシップの登場場面である。
ああいった巨大UFO、それも突起物が無数に付いていて(地球の大気圏に入ってきたときに摩擦熱はどうしたのだろう?)、まぶしいほどの照明ぎらぎらのUFOの造形は斬新だった。
今回あらためて思ったのは、主人公の男性(リチャード・ドレファス)って自己チューだったんだな、ということ。
いくら不思議な力で選ばれた存在だからといって、家族をないがしろにして我が家を勝手に泥だらけにするか?
奥さんと子どももいて、彼はあのあとどうしたのだろう? 後日談が気になるぞ(汗)。
SF映画の記念碑的映画の一つだろう。
そういえば、宇宙がまったく出てこない宇宙映画、としても話題になったな。