あきりんの映画生活

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「トータル・リコール」 (2012年)

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2012年 アメリカ 118分
監督:レン・ワイズマン
出演:コリン・ファレル、 ケイト・ベッキンセール、 ジェシカ・ビール

リメイクのSFアクション。 ★★★

シュワルツネッガー主演で映画化されてから22年後のリメイク作。
あれはとても面白く作られていたが、さて、こちらの出来映えはどうだ?

裕福層と貧困層に大きく分かれてしまった近未来。
毎日の単調な労働に明け暮れているクエイド(コリン・ファレル)は、ふとリコール社が提供してくれる人工記憶を試してみたいと思い立つ。
スパイとして活躍した記憶をを選んだクエイドだったが、記憶を植え付けようとしたときに、なぜか警官隊の襲撃を受ける。
さらに、クエイドは無意識のうちに身体が反応してものいすごい戦闘能力を発揮する。
これはどういうことだ?

オリジナルとの一番の違いは、火星が登場しないこと。
今作ではすべてが地球上の事柄である。
なので、オリジナルでは印象的だった”眼球飛び出し映像”はない。ちょっと残念(笑)。

近未来のその地球の映像はすごい。
貧困層が生活するコロニーの情景は、あの「ブレードランナー」の世界を彷彿とさせるものだった。あのワカモトの看板がどこかにあるのではないかと思ってしまうほど。
奇妙な東洋趣味があり、菅笠の人物がいたりする。
中国風の運河が流れているところも面白かった。

さて、物語の方。大筋ではオリジナルと同じ流れで話は進む。
クエイドの妻ローリーを演じるケイト・ベッキンセールの怖いこと、怖いこと。
オリジナルのシャロン・ストーンなんて、こちらのケイトに比べたら可愛いものだったぞ。
なかなか退場せずに、最後までクエイドを執念深く追い詰めてくる。
怖いったありゃしない。

3つの乳房女や、太ったおばさんなど、オリジナルを観た人ならニヤッとする場面もあった。
今作で登場するフォールという乗り物もすごい。
地球を貫通して富裕層が住むイギリスと貧困層が住むオーストラリアを、地球を貫いて17分で結んでいる。すごい!

映像技術は22年の間に大きく進歩している。
きれいな、迫力ある画面の連続。
しかしどこか作り物めいた(当たり前なのだけれども)つまらなさも感じてしまうのは贅沢というものか。
アクションに次ぐアクションがあまりにもきれいな映像なので、かえって眠くもなったりする。

いかんなあ。感覚が麻痺してきているのか。

面白くできており、こちらだけ観た人なら十分に満足できる。
しかし、オリジナルを知っている人には、あの無骨さがちょっと懐かしく思い出されるような気もします。