あきりんの映画生活

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「時の重なる女」 (2009年)

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2009年 イタリア 95分
監督:ジュゼッペ・カポトンディ
出演;クセニア・ラパポルト

不思議サスペンス。 ★★☆

あまり評判にはならなかった作品。
しかし、DVDの宣伝文句によると、どうもタイムスリップもののよう。
その分野は好みなので、どんなものかと、いざ鑑賞。

ホテルの清掃係をしているスロベニア移民のソニア(クセニア・ラパポルト)。
友達も少ない彼女は恋人探しパーティに出かけ、ガードマンのグイドと知り合う。
グイドがソニアを仕事場の豪壮な別荘に誘った日に、大がかりな美術品強盗団が襲ってくる。

はて、この映画はどんな風に展開するのだろうと、途中までは思いながら観ることになる。
強盗団にグイドは撃たれて亡くなり、ソニアも頭に銃弾を受けて意識不明の数日間を過ごし、やっと回復する。
元の生活に戻ったソニアだが、ふとした拍子にグイドの姿が見えるようになる・・・。

これはオカルトものか、と思い始めたりもするのだが、なんと、ソニアが見ているのは本物のグイドのようでもあるのだ。
グイドが死んだのはソニアの夢の世界の中の出来事であって、実際の世界ではグイドはまた生きているようなのだ。
それとも、これは別の世界の出来事なのか?

さらに、ソニアの隠された秘密が明らかになっていく。
彼女が恋人探しのパーティに参加したのは、初めからグイドに近づくためだったようなのだ。
その目的は・・・?

(以下ネタバレ)

強盗団の首領とソニアがブエノスアイレスへ高飛びするのをじっと陰で見送るグイド。
首領とソニアはブエノスアイレスで記念写真を撮る。
しかしその写真は、すでにグイドとソニアが写っている写真とまったく同じ構図のものだった。
すると・・・?

最後まで観ても、どれが現実で、どれが夢なのか・・・?
タイムスリップものではなかったが、ミステリアスな雰囲気はとてもよい。
作品の構造も面白い。もう少していねいに練ったら大傑作になっていたところ。

クセニア・ラパポルトは初めて観た女優だが、独特の雰囲気を持っている。
この映画でベネチア国際映画祭の女優賞を受賞しているそうです。