あきりんの映画生活

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「ハンター」 (1980年)

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1980年 アメリカ 98分
監督:バズ・キューリク
出演:スティーブ・マックィーン、 キャスリン・ハラルド

マックィーンの遺作。 ★★☆

スティーブ・マックィーンといえば、「荒野の七人」から始まって(その前にTVドラマがあったが)、すぐに思いつくだけでも「大脱走」「華麗なる賭」「ブリット」「栄光のル・マン」「パピヨン」「タワーリング・インフェルノ」と、素晴らしい映画で魅了してくれた。
彼は50歳で肺癌で亡くなったが、 この映画は亡くなった年の遺作。

マックィーンは通称“パパ”と呼ばれる賞金稼ぎ。
アメリカでは仮釈放中の身でゆくえを眩ませる輩がかなりいるようだ。けしからん連中だ。
パパはそんなけしからん連中を捜し出しては警察に突き出して報奨金をもらうという、現代の賞金稼ぎ。
次々に指名手配者を追う毎日。

このパパには実際のモデルがいるらしい。
そのモデルの当人は、なんでも1万人もの逃亡者を捜し出しては捕まえたという凄腕の人物だったらしい。
逆に言えば、アメリカでは仮釈放されながら逃げる人物がそんなにもいるということになる。
怖ろしい国だなあ。

物語は割と平板である。
前半は、パパが次々に逃亡者を探し出して捕らえる、というエピソードをただつなげてみせる。
実話に基づいているのでそうなってしまったのか?
後半になり、パパを逆恨みする悪役との対決となる。
そこにパパが一緒に暮らしている妊娠中の彼女が巻き込まれて行く、といった具合。

マックィーンはトウモロコシ畑での珍妙なカーチェイスをしたり、高架電車の天井でのアクションを見せたりと頑張っている。
しかし、やはりこの撮影時にはすでに体力的には厳しいものがあったのだろう。
精悍さはあまり感じられない。
作中でもパパは老眼鏡をかけたりしているのだが、マックィーン自身の老いも見せている。

よく頑張りました。
この映画では、マックィーンはとても車の運転が下手という役柄になっている。
いつも、縦列駐車をしようとしては前後の車にぶつける。
ル・マンを自ら走ったマックィーンが、ですよ。面白いね。

この映画の公開を観ることなく、マックィーンは亡くなったとのこと。合掌。