2003年 アメリカ 80分
監督:ピーター・ヘッジス
出演:ケイテイ・ホームズ、 パトリシア・クラークソン
不良娘の親孝行。 ★★★
家族と疎遠になっているエイプリルはニューヨークで黒人の彼氏ボビーと暮らしている。
彼女は感謝祭の日に田舎から家族を招待する。
母の好物である七面鳥を焼いて食べさせてあげようとするのだ。
濃いアイシャドーのメイクにタトゥを入れたエイプリルは、いわゆる不良娘。
母ジョーイの述懐によれば、万引きはするわ、放火はするわ、といった過去を持っている。
そんな彼女が一生懸命に母のために七面鳥を焼こうとする。
しかし料理などしたことがなかったエイプリルは悪戦苦闘。
おまけにオーブンが壊れてしまう。このままでは七面鳥が焼けない。どうする?
娘のもとにへ向かう家族の思いも複雑。
父はなんとかエイプリルに気持ちをくみ取ってやろうとしているのだが、肝心の母はエイプリルを嫌っている。
妹がまた嫌みな妹で、姉を軽蔑しきっている。
カメラ好きの弟はどこかのほほんとしていて、認知症の祖母も一緒。
この5人の家族のニューヨークまでの車旅行。
母は、エイプリルに家に帰ってこられるよりは、おざなりにでも顔を出してさっさと引き上げてくれば、その方が簡単だという。
そして、エイプリルの作った料理をどうやってこっそり捨てようかと考えている。
なんていう母親だ。一生懸命に頑張っているエイプリルが可哀想。
でも、それだけのことを母に思わせるような過去がエイプリルにはあったのだろう。
その過去と和解するために、エイプリルは必死に頑張っているのだろう。
なにしろ、病に冒されている母に残された最後の時間なのかもしれないのだから。
(以下、あらすじに触れています)
壊れたオーブンの代わりを求めて、エイプリルはアパートの住民を訪ねて回る。
下町の下流階級が住むアパートのどの家でも、邪険に断られてしまうエイプリル。
どうする?
しかし、一見怖ろしそう気な黒人夫婦が実は気のいい人達で料理を手伝ってくれたり、言葉の通じない中国人一家がオーブンを貸してくれたり。
ほのぼのとする出会いがある。よかったね。
また彼氏のボビーが好いやつ。
エイプルルのことを優しく助けてくれる。エイプリルの家族を迎える準備を一生懸命にしてくれる。
こうして七面鳥が焼けて、部屋の飾り付けも彼女なりに頑張ってできあがった。
しかし、やっとエイプリルのアパートに辿り着いた家族は、その薄汚れたアパートの外観にとまどい、喧嘩をして顔を腫らしたボビーをみて恐れてしまう。
家族が到着したことを知ってエイプリルが入り口に駆け下りてみると、家族はもう立ち去ってしまった後だった・・・。
あんなに頑張ったのに・・・。可哀想なエイプリル。
でも最後は、ちゃんと温かい結末が待っています。
カメラ好きの弟が撮った写真を上手く使って、よかったねと言える結末になっています。
好い映画でした。