あきりんの映画生活

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「カラスの親指」 (2012年)

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2012年 日本 160分
監督:伊藤匡史
出演:阿部寛、 村上ショージ、 能年玲奈、 石原さとみ

コン・ゲームもの。 ★★★

原作は道尾秀介。とくれば、物語がつまらないはずはない。
それに私の好きなコン・ゲームもの。
結論から言って、楽しめた。邦画もなかなかに好いなあ(ただし、長い!)。

コンビを組んでいる詐欺師のタケ(阿部寛)と、テツ(村上ショージ)。
そんな二人の借家に、偶然知り合った少女まひろ(能年玲奈)が姉のやひろ(石原さとみ)やその彼氏と一緒に転がり込んでくる。
5人の疑似家族のような奇妙な共同生活が始まる。

映画冒頭のつかみの部分で、小悪党のユースケ・サンタマリアが出ている。
騙して小銭を稼ごうとして、逆にまんまと騙される。なるほど、こういう手口もあるのか。

居座ってしまった姉妹+彼氏が、最初はずうずうしくてなんていうだと思っていたのだが、次第に打ち解けて仲良くなっていくところは微笑ましかった。
それぞれに過去を抱えた5人なので、ことさらだ。

TVのバラエティものはほとんど観たことがないので村上ショージという人は初めて観た。
台詞がいやに素人っぽい俳優だなと思っていたのだが、映画初出演の芸人さんだったとのこと。ああ、そうか。
しかし、雰囲気はよくて、役柄には合っている感じだった。
メイクのせいか、石原さとみには最後まで気づかなかった(私、ファンなのですが・・・汗)。

苦情をひとつ呈するとすれば、尺が長い! 長すぎる!
退屈することはなかったが、それでも160分は長すぎる。
前半の1時間半は半分にして欲しかったぞ。

悪者に脅されて逃げてばかりだったタケを助けるために、ほかの皆が協力して反撃に出る。
後半になっていよいよメインの欺し作戦が始まる。
なかなかに緊迫する作戦遂行。なるほど、そういう計画だったのか。

それにしても、インチキ携帯電話を細工して悪者事務所の電話を盗聴するのは、苦労の割にあまり意味がなかったように思うのだが・・・。

(以下、ネタバレ気味)

無事に事が終わって、ああ、よかったな、と思っていたのだが・・・。
じつはここからが道尾秀介原作たる所以だった! ああ、そうだったのか。
(この最後がなければ、普通の映画に終わっていたところ 汗)

タイトルの「カラスの親指」はさすがに上手い。
といっても、それこそ道尾秀介の原作が好いわけだが。
誰が「親指」だったのかが最後で明らかになって、ニヤリとさせられる。