2011年 インド 120分
監督:サントーシュ・シヴァン
インドの歴史英雄もの。 ★★☆
バスコ・ダ・ガマといえば、喜望峰をまわってインドへ行き、ヨーロッパへ胡椒などの香辛料をもたらした人物というふうに、昔学校でならった。
どちらかといえば、英雄、立派な事をなした人物、といった捉え方だった。
しかしインドにとっては、いわれてみれば当然のことだが、ガマは憎むべき侵略者だったのだ。
この映画は、大砲や鉄砲といった圧倒的な武力を持ったその侵略者に立ち向かった一人の若者の話。
彼は幼かった頃に両親を侵略者に殺される。
彼は両親の形見の金細工を溶かして剣を作る。
それが秘剣ウルミ!
驚いたのはそのウルミが曲がること。いや、曲がるなんてものじゃない、しなり、たわむ。まるでムチのよう。
この長い剣は実際にあったようで、カラリバヤットというインドの武術で用いられるとのこと。
腰に巻けば旅行の時の携帯に便利(笑)。
しかし、あれで本当に切れるのだろうか。
さて肝心の映画だが、ちょっと期待はずれだった、というのが正直なところ。
インド映画というと期待するのは、底抜けの(馬鹿馬鹿しい)楽しさ。突拍子もなくくり広げられる歌と群舞。
偏った先入観なのだが、「踊るマハラジャ」以来すり込まれてしまった(汗)。
この映画は、真面目に作った歴史英雄ものということはよく判るのだが、どうも中途半端だった。
反目し合うインド各地の部族。
主人公はその部族の間を行き来しながら強大な侵略者の軍勢に立ち向かう。
あまりなじみがない異国の歴史物、という物珍しさがあって、退屈をすることはなく観ることはできた。
しかし、秘剣というほどには、その剣が縦横無尽の活躍をするわけではなかった。
秘技がとびでるわけでもなく、まあ、普通のアクション場面となっているだけだった。
ただインド映画でいつも圧倒される出演女優の美しさは、この映画でも堪能できた。
どうしてこんなにも美しい女優ばかりなんだ、インド映画は?
ちなみに、おおもとのこの映画は160分だったとのこと。
今回観たのは(NHK-BSでの放送分)それが四分の三にカットされた120分版だった。
ひょっとして、カット部分に歌や踊りが詰め込まれていた?