2013年 アメリカ 114分
監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー、 クリステン・ウィグ、 ショーーン・ベン
妄想男の世界旅。 ★★★
平凡な男が、ある日、やむにやまれぬ事情から世界を股にかける大冒険を始める。
日常から非日常へ、夢見る男の旅立ちだぜ。いぇ~い。
ベン・スティラーが監督、主演をしている。
ウォルター(ベン・スティラー)は、長年ライフ社のネガ整理係りという裏方の地味な仕事をしてきた。
ある日、そのライフ社は買収されることになり、伝統ある雑誌「LIFE」も最終号を出すことになる。
その表紙を飾る写真は、名写真家ショーンがウォルターに届けてきたもの。
ところが、肝心のNo.25のネガがどこを探してもない! これは困ったぞ。
ウォルターは地味な引っ込み思案の性格。
それゆえか、妄想癖がある。ふいに周囲の状況を遮断して自分一人の空想の世界に入り込んでしまう。
片思いのシェリル(クリステン・ウィグ)にも話しかける代わりに、妄想の世界で付き合いをしている(苦笑)。
これは厄介なことなのだが、映画の展開としてはウォルターの妄想世界が随所にちりばめられて、愉快な展開を見せていた。効果的だった。
さて、ネガを紛失したウォルターは、写真を撮ったショーン(ショーン・ペン)に会ってなんとか表紙写真を手に入れようとする。
しかし、世界を旅しているショーンは今どこにいるのか判らない。
他の3枚のネガに写っていた写真を手がかりにして、ウォルターは旅に出る。
その行く先といえばグリーンランド、アイスランド、そしてアフガニスタンにヒマラヤ。
秘境ばっかりじゃん!
次から次へと、あれよあれよの展開となる。
漫画的な突拍子もない展開が、ベン・スティラーのとぼけた雰囲気に合っていて、楽しい。
酔っ払いの操縦する小型飛行機に意を決して乗り込んだり、嵐の海で揺れ動く船にヘリコプターから飛び移ろうとしたり・・・。
どちらかといえば世界の片隅といったところでの人々との付き合いが、どこか微笑ましい。
果たしてウォルターはショーンに会うことができるのか?
(以下、ネタバレ)
やっと雪山で会えたショーン。
彼はウォルターにネガと一緒に財布をプレゼントしてくれていたのだが、肝心のNo.25のネガがなかったことから、ウォルターはその財布を捨ててしまっていた。
そのことを聞いたショーンの「傷つくなあ」のひと言が、可愛くて好かった。
さて、No.25のネガはどこに?
そしてそのネガには何が写されていた?
妄想世界での活躍をしていた主人公が、実際の大冒険をする。
その果ての結末はほのぼのとしていて、大冒険のあとでほっとした気分になれます。