あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「11:14」 (2003年)

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2003年 アメリカ 86分
監督:グレッグ・マルクス
出演:パトリック・スウェイジ、 ヒラリー・スワンク

絡み合う5つの事件。 ★★★☆

夜の30分の間に狭い街中のあちらこちらで、5つの事件が起きる。
ばらばらのように思えたそれらの事件は、実は重なり合っていた。

タイトルを聞いたこともないような映画。どうもB級の雰囲気もただよってくる。
しかし、パッケージのあらすじを読むと面白そう。ヒラリー・スワンクも出ているし・・・ということで、鑑賞。
オムニバス風に描かれていた出来事が、あれよあれよと結びついていく。へえ~。
どうみても低予算映画。しかし意外に面白かった。

夜の11時14分、彼女に電話をかけながら車を運転していたジャックは顔がつぶれた男の死体をはねてしまう。
これは困った。焦ったジャックは死体をトランクに隠そうとするが、通りかかった中年女性に警察に通報されてしまう。

その女性にかかってきた電話は、娘のシェリーが車にはねられたというものだった。
驚いた女性は夫のフランクを探すのだが・・・。

すこし遡って11時9分。悪のりしながらドライブをしていた少年たちは、道路にいた女性を轢いてしまう。
駆け寄ってきた彼氏らしい男が発砲してきたために、慌てて逃げる少年たち。

さらに遡って11時4分。フランク(パトリック・スェイジ)は散歩中に顔のつぶれた男の死体を見つける。
傍らには娘のシェリーのネームプレートが落ちている。
もしや娘が殺人を犯してしまったのでは、と心配になったフランクは・・・。

さらに遡って10時59分。コンビニで狂言強盗を企んだダフィー。
実は恋人のシェリーが妊娠したと聞かされて、中絶費用を工面しようとしたのだったが、じつはそのシェリーは・・・。

こうして無関係のように見えた5つの事件が、それに関わった人たちの勝手な思惑によって結びついていたことが描かれていく。
視点が変わることによってひとつの事柄も違う方向から観ることができて面白い。

たとえば、悪ふざけした少年たちは車の窓から火をつけた本を投げ捨てる。
別の事件の登場人物は、たまたま路上で燃えている炎を見つけて、その火で証拠物件を燃やしてしまおうとしたりする。

B級映画らしい下品なネタも混じってくるのだが、物語はとてもていねいに練られている。
時間を遡るごとに、なるほど、あれはこういうことだったのか、と次第に結びついてくるところが面白い。
驚愕のラストといったものではないのだが、なるほど、と納得して見おえることが出来る。

えっ、ヒラリー・スワンクがどこに出ていたかって? 実は脇役なのです(苦笑)。
しかし、彼女は制作総指揮にも加わっています。
実は、彼女はこういった野心的な作品を応援するということを積極的にしているらしい。へぇ~、感心。

85分という小品ですが、これも掘り出し物でした。
面白かったですよ。