あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。

「ゾディアック」 (2006年)

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2006年 アメリカ 157分
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェイク・ギレンホール、 マーク・ラファロ、 ロバート・ダウニーJr

連続殺人事件を追う。 ★★☆

アメリカで実際に起きた未解決の連続殺人事件を描いている。
この事件では、実際に犯人が捕まったわけではないので、映画の方も後味はすっきりとはしない。どこかもやもやとしている。

1969年のアメリカの独立記念日にドライブ中の若いカップルが銃撃され女性は絶命する。
そして警察への通報者は、犯人は自分だとつけ加えた。
その1ヶ月後に新聞社に、その事件と、さらに1年前の殺人事件の犯人は自分だとする手紙が届き、自らを“ゾディアック”と名乗ったのだ。

2時間半越えの長尺もの。
殺人事件は別として、犯人逮捕の追跡劇のような華々しいことが起きるわけではないので、映画自体は地味に進む。
フィンチャー監督は、7歳ぐらいの時に自宅のすぐ近くで起こったゾディアック事件に興味を抱き続けたとのこと。まるで、後述する主人公のよう。
その執念が、この長尺の映画を撮らせた?

ゾディアックは、自分の事件が注目されることを狙ってもいたようだ。
新聞社には奇妙な暗号も届く。
それはギリシャ文字や、モールス信号、手旗信号、アルファベットなどが混在したもので、それを新聞のトップに載せないとさらに殺人をするぞと脅迫もしたらしい。
一般のアメリカ国民までもが、その暗号を解こうと必死になったらしい。

馬鹿にされた警察も必死となる。
当時の捜査の決め手となったのは、指紋と声分析(犯人は放送中のTV局へ電話までしてくる)、それに目撃者の似顔絵ぐらいだったようだ。
だから丹念な聞き込みで膨大な捜査資料を積み重ねていく。地味。

それに、こういう事件では必ず無関係な人物が、犯人は俺だ、と言い始めたりする。
警察も新聞社も振り回される。大変だ。

事件は年余にわたって続くので、観ている方も時間経過を確認しながら観る必要がある。
その事件の3ヶ月後が描かれたと思ったら、不意にその7年後になったりする。

しかし、この映画はゾディアック事件の犯人捜しを描いたというよりも、この事件に翻弄された3人の人物を描いていると言ってもいいだろう。
トースキー刑事(マーク・ラファロ)は執念を燃やし、何年も犯人を追い続けるが、結局はその努力が実を結ぶことはなかった。
新聞記者のエイブリー(ロバート・ダウニーJr)は、事件を追い続けるあまり酒に溺れるようになり、廃人のようになっていく。
新聞社嘱託の漫画家のグレイスミス(ジェイク・ギレンホール)も、誰も事件の謎を解かないから自分がやるしかないのだ、と家庭崩壊を招くほどに事件を調べ続ける。

事件に振り回された男たちのそれぞれの生き様は悲壮で、どこか虚しい感じさえある。

(ネタバレ?)

映画は、事件22年後にある目撃者が、ある人物を指ししめすことで、彼が限りなく犯人と思われるような内容で終わっていく。
でも、そんなことなら、22年前に彼に証言させれば、犯人はとっくに捕まったのではないの?

この映画は、グレイスミスが実際に自分の調査結果をまとめた「ゾディアック」という本を原作としているようだ。
実在していた人物が描かれるので、映画としても作り方は難しかったのだろう。

リアリティには充分なものがあったが、若干ダレ気味だった、というのが偽わざるところ(汗)。