2014年 オーストラリア 97分
監督:マイケル・スピエリッグ
出演:イーサン・ホーク、 セーラ・スヌーク
タイム・パラドックスもの。 ★★★★
これは完全にやられた。
タイム・パラドックスものは好きで、その手のものはいろいろと見てきたが、ここまで捻ったものは初めてだったなあ。
原作はSF小説の巨匠ロバート・A・ハインラインの『輪廻の蛇』。
元は短編小説だが、登場人物もオリジナルで増やして物語を膨らませてあるようだ。
物語の始まりは1970年ごろのニューヨーク。
連続爆弾魔が暗躍しており、それを捕らえようとする時空エージェントがいた。
しかし、エージェントは爆発を阻止できず、逆に顔面に大きな損傷を受けてしまう。
大手術によって新しい顔を得たエージェントは、時空をさかのぼって爆弾魔を捉えようとする。
というのが導入部。
場面はがらりと変わって、場末のバーで青年ジョンはバーテンダーに、これまで聞いたこともないような話を聞かせてやると、ある少女の数奇な身の上話を話しはじめる。
この回顧話が不釣り合いなほどに長い。あれ、時空エージェントのSFアクションはどうなった?
しかし、この少女についての話が面白いのだ。たしかに面白いのだ。
そしてこれがそれから先の展開に密接に結びついてくる。
話を聞いたバーテンダーが時空エージェントであり、青年の話に同情した彼は、二人である目的を果たそうと過去へ旅立つ。
あまり詳しいことはこれ以上書けないのだが、このあたりから、えっ、そうだったのか!という展開になっていく。
すると、あれはどういうことだったんだ?
そして、最後になるにしたがって、これまでの謎が一気に明らかになる。
ええっ、こんなことが?!
では、あれは、こういうことだったのか・・・。すると、あの時のあれは、そういうことだったのか・・・。
(以下、完全ネタバレ 注意!!)
少し前に観た映画に、1+1=1というのが鍵になっているものがあった。
この映画はそれを超えていて、1+1+1+1=1だったなあ・・・。
DVDが出たら、すぐにでももう一度見直そうと固く決心したのでした。
タイム・トラベル物が好きな人には、ぜひともお勧めしたい作品です。