1993年 アメリカ 101分
監督:ハラルド・ライミス
出演:ビル・マーレイ、 アンディ・マクダウェル
タイムスリップもの。 ★★☆
自意識過剰で少し鼻持ちならないキャラの天気予報官のビル・マーレイは、取材のためにクルーと一緒に田舎町を訪れる。
おざなりに仕事を終えてさっさと引き上げようとしたところ、吹雪のために田舎町に閉じこめられてしまう。
そして一晩が明けて、翌日目を覚ますと、あれ?周りの世界はまた昨日だぞ?
設定はなかなかに面白い。
ビルは何回寝ても、目ざめるとまた昨日に戻ってくる。
自分ひとりが同じ時空を反復して生きている。
これは戸惑うし、第一、飽きるよなあ。毎日が同じ日なのだから。
目覚まし時計をたたき壊して寝ても、翌朝には目覚まし時計は昨日の状態に戻っていて、また同じ日が繰り返される。
こうなると、人はどう考える?
何をやっても(どんな悪いことをやっても)、どうせ一晩寝ればリセットされている。それなら刹那的にやりたいことをやるか・・・。
まあ、私だってそう考える(笑)。
しかし、空しい。世界は何も変わらないのだから。
観ている方も少し飽きてくる。なにしろ、主人公が何をやっても何も変わらないのだから。
ここでのミソは、時空は同じなのだけれども自分は違う自分であるというところ。
だから、自分がピアノの練習をすれば、次の同じ日には前回練習した分だけピアノが上達していることになる。
周りの人はそんな自分を初めて見るわけだ。これはなかなか面白い設定。
で、刹那主義に陥っていたビルは、自分を成長させようとしはじめる。
自分勝手なことをしていては望みは叶えられません、人につくしなさい、人の喜ぶことをしなさい。そうすれば自分の望みも自ずからかないます、とでもいう感じ。
その結果、どうなったのか。
まあ、善いことを描いているのです。
ですが、へそ曲がりの私にはちょっと鼻につきすぎてしまった。なんだか道徳映画を観ているような・・・。
ビル・マーレイの、あいかわらずとぼけたような雰囲気は好かったのですが・・・。